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「隠れ貧血」、知っていますか? ②なぜ隠れ貧血になるのでしょうか?~part2 鉄はどこからやってきて、どこに行くのか?~

こんにちは。目黒駅東口より徒歩3分、白金台駅より徒歩10分 目黒みらい内科クリニック院長のけい先生です。

 

現在、このブログで

 

「隠れ貧血」

 

についてお話をしていますが、今日が3回目。

 

今回は

 

②なぜ隠れ貧血になるのでしょうか?~part2 鉄はどこからやってきて、どこに行くのか~

 

という内容でお話しますね。

 

前回のブログで、鉄の動きをイメージして頂くのにお金の話を例に出しました。

その中で

 

①入ってくるお金(収入)身体入ってくる鉄「収入」鉄

②出ていくお金(支出) 身体から出ていく鉄「支出」鉄

③貯金  身体の中にストックされている鉄 「貯蔵」鉄

 

があることを説明しました。

*「貯蔵鉄」という医学用語はありますが、「収入鉄」「支出鉄」はこのブログ内での言葉ですのでご注意くださいね。

 

そして隠れ貧血について考える時は

 

入ってくる鉄(収入鉄)出ていく鉄(支出鉄)=「貯蔵」鉄が減る

 

場合を考えるのが大切、とお話しています。

そうするともう少し「鉄」の動きについて知りたくないですか?

知りたいですよね・・・

 

多少強引ですが、ということで今回は

 

鉄はどこからやってきて、どこに行くのか?

 

をお話していきましょう。

 

 

まずは図をご覧ください。

 

専門医が教えるよく受ける検査の意味⑰ 血清鉄(Fe)、総鉄結合能(TIBC)、フェリチン(Ferritin)の検査についてより抜粋:右上の「鉄に関する血液検査」については後日のブログでお話する予定なので、今回は省略します)

 

この図の左側から下半分を見て下さい。

前回のブログでもお話しましたが、鉄は食べ物の中に含まれています。

食事をとることで、食べ物に含まれている鉄が小腸から体の中に吸収されるのですね。

つまり

 

「収入」鉄は食事から

 

やってくるわけです。

 

*******************************************

 

・・・とさらっと書きましたが、実は

 

鉄が小腸から体の中に吸収される

 

とは

 

・鉄が小腸(正確には細胞)を通り抜け

・血管の壁(これも細胞)も通り抜け

・血液の流れに乗って運ばれる

 

ことを言うのですね。

しかも鉄が自分でドアを開けて細胞の中にスッと入る・・・わけではなく、細胞を通る時はちゃんとしたエスコートが必要なんです。

 

そして鉄が血液の流れに乗って運ばれる時、1人(?)ではなく一緒に旅する相棒が必要なんです。

その相棒を

 

トランスフェリン

 

といいます。

実はこのトランスフェリンはタンパク質なんですが、

 

トランス=trans=「向こう側へ」

フェリン=ferrin=「鉄」

 

という意味なんです。

つまり

 

鉄を運んでくれる相棒=「鉄」を「向こう側」へ運んでくれる「タンパク質」=トランスフェリン

 

と理解してくださいね(もちろん覚えなくても大丈夫です)。

そしてこのトランスフェリンとくっついた鉄のことを

 

トランスフェリン+鉄トランスフェリン鉄

 

といいます。

 

鉄は血液の中で、このトランスフェリン鉄という形で運ばれていくのです。

一見手間ヒマがかかっているように思えるのですが、体にとってはこの仕組みが都合がよくてこうなったんでしょうね。

 

*******************************************

 

体に吸収された鉄は、肝臓や血液を作る工場である骨(骨髄)に運ばれます。

それぞれ

 

肝臓・・・鉄を貯める(貯蔵鉄)

骨(骨髄)・・・鉄を材料に赤血球を作る

 

役目があるのです。

 

今までいろいろブログを書いてきましたが、肝臓は糖を蓄えたりコレステロールを作ったり尿酸のもとになるプリン体を分解したりと色々な事をしてくれているのですね(興味がある方はリンク先のブログもご覧くださいね。もちろんこれだけではなく、肝臓はまだまだいろんな働きをしてくれていることもお忘れなく)。

 

また赤血球の寿命は120日(約4か月)と言われているのですが、役目を終えた赤血球は

 

脾臓(ひぞう)

 

で壊されます。

 

ちなみに脾臓の場所ですが、お腹の上の方、左側にあります。

胃や膵臓の左側、肝臓の近くにある臓器なんです。

下の図は身体を正面から見た時のものですので、右と左が反対になっていますからご注意くださいね。

 

(ナースフル 第1章解剖と生理より抜粋)

 

脾臓で赤血球が壊された後、赤血球に含まれていた鉄の一部は脾臓に貯められる(貯蔵鉄)のですが、残りの鉄は再度血管に入り血液の流れに乗って肝臓に運ばれて蓄えられたり、骨(骨髄)に運ばれて赤血球を作るのに再利用されたりするのです。

食べ物からとることのできる鉄の量は決まっているため、徹底的に再利用する仕組みが備わっているわけです。

 

この体にとってとても大切な鉄・・・。

外に出ていかなければ本当はありがたいのですが、そんな訳にいかず少しずつ外に出ていくのですね。

どこから出ていくかというと

 

・皮膚や汗

・便

・出血

 

なんですね。

 

これが

 

「支出鉄」

 

になります。

 

この支出鉄の中で、最も鉄を失いやすのは

 

出血

 

なんですね。

 

そして特に

 

10代から50代前半までの女性(個人差あり)は生理のため出血がある=鉄を失いやすい

 

わけです。そうすると

 

入ってくる鉄(収入鉄)出ていく鉄(支出鉄)

 

となりやすくなり

 

入ってくる鉄(収入鉄)出ていく鉄(支出鉄)=「貯蔵」鉄が減る

 

状態が起きやすくなるわけなんです。

 

つまり今回のブログタイトルにある

 

鉄はどこからやってきて、どこに行くのか?

 

との問いの答えは

 

食べ物からやってきて、皮膚や汗、便、出血により外に出ていく

 

となるわけです。

 

 

 

ここまでいかがでしたでしょうか?

 

今回も長くなりましたのでこの辺で失礼いたします。

 

 

次回は

 

③どのような検査を受けますか?

 

についてお話しする予定です。

 

また隠れ貧血のブログはこちらもあわせてご参照ください。

 

「隠れ貧血」、知っていますか? その① ~潜在性鉄欠乏症について~ 

「隠れ貧血」、知っていますか? ②なぜ隠れ貧血になるのでしょうか?~part1 身体の鉄の動きを考えてみる~

 

本日も最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。

 

けい先生

 

**********

 

目黒みらい内科クリニック

 

糖尿病を中心とした生活習慣病(高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症など)呼吸器内科ならびに内科一般

 

の診療をしております。

 

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