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「隠れ貧血」、知っていますか? ②なぜ隠れ貧血になるのでしょうか?~part1 身体の鉄の動きを考えてみる~

こんにちは。目黒駅東口より徒歩3分、白金台駅より徒歩10分 目黒みらい内科クリニック院長のけい先生です。

 

以前のブログで「隠れ貧血」についてお話しました。

 

「隠れ貧血」、知っていますか? その① ~潜在性鉄欠乏症について~ 

 

今回は

 

②なぜ隠れ貧血になるのでしょうか?~part1 身体の鉄の動きを考えてみる~

 

という内容でお話しますね。

 

前回のブログでお話した通り、隠れ貧血はまたの名を

 

潜在性鉄欠乏症

 

というのですが、この状態のままでいると酸素を運ぶヘモグロビンを作る材料の鉄が足りないことから、徐々にヘモグロビンの値が下がりついには「貧血」になります。

他にもいろいろな原因で「貧血」になるのですが、この鉄が足りない(欠乏)ことが原因でなった貧血のことを

 

鉄欠乏性貧血

 

というのです。

 

 

ではそもそもなぜ鉄が足りなくなるのでしょうか?

 

これには

 

身体への「鉄の出入り」と身体の中の「鉄のストック」

 

を考えるのが大切になります。

 

ここで

 

・身体の中を「鉄」が出たり入ったりしているの?

・身体って「鉄」をストックしているの?

 

と思った方もいるかもしれません。

私たちが普段目にするような鉄の塊が身体を出入りしているわけではないので、イメージしにくいのではないでしょうか。

そこで分かりやすくなるよう身近なものから考えるようにしましょう。

 

今回は

 

お金の動き

 

でイメージしてみましょうか。

 

お金の動きは大きく

 

①入ってくるお金(収入)

②出て行くお金(支出)

③貯金

 

3つに分けられます。

いやいや、貯金だけではなくて投資などもある(貯蓄)のでは?という声が聞こえてきそうですが、今回は分かりやすくするため貯金だけに絞らせて下さいね。

 

お金の場合、入ってくるお金(収入)が出て行くお金(支出)よりも多いと貯金が増えますよね。

貯金があると急な支出(旅行、冠婚葬祭や引っ越し、子供の受験や進学、病気や介護費用など・・・)にも対応できますし、急に収入が減ったり、収入がなくなったりした場合にも貯金から出すようにすればとりあえずは何とかなると思います。

 

つまりこの①から③の関係は

 

収入支出=貯金が増える

収入支出=貯金が減る

 

となりますね。

ここまではよいでしょうか。

 

それではここからは「お金」を「鉄」に置き換えて考えてみましょう。

 

①入ってくるお金(収入)身体入ってくる鉄「収入」鉄

②出ていくお金(支出) 身体から出ていく鉄「支出」鉄

③貯金  身体の中にストックされている鉄 「貯蔵」鉄

 

となりますね。

 

ここで

 

何で「貯蔵」というの?

 

と思った方。

「身体という入れ物(≒蔵(くら))に鉄を貯める」ので「貯蔵」と書く・・・と理解して下さいね。

 

***「貯蔵鉄」は医学用語なのですが、「収入鉄」と「支出鉄」はこのブログ内限定の言葉ですのでご注意くださいね***

 

お金の場合と同じで、鉄も

 

④入ってくる鉄(収入鉄)出ていく鉄(支出鉄)身体の中にストックされている鉄(貯蔵鉄) が増える

⑤入ってくる鉄(収入鉄)出ていく鉄(支出鉄)身体の中にストックされている鉄(貯蔵鉄) が減る

 

となるわけです。

 

普段の生活を送っていれば入ってくる鉄(収入鉄)と出ていく鉄(支出鉄)の量はバランスがとれていて、身体の中にストックされている鉄(貯蔵鉄)の量はあまり変化がないのです。

 

ただ入ってくる鉄の量(収入鉄)が減ったり出ていく鉄の量(支出鉄)が増えたりした場合に、鉄のストックがないと困るため貯蔵鉄の用意がある、と考えて下さいね。

そうすると貯金と同じ意味あいがあるのが分かりますでしょうか。

 

ただ「お金」と「鉄」では違いがあるのですね。

その違いは

 

・普段の生活をしていれば入ってくる鉄の量(収入鉄)には限りがあること

「貯蔵鉄」は増えすぎるとかえって身体に悪さをするで、身体に貯められる量はある程度決まっていること

 

なんです。

 

 

よって「隠れ貧血=潜在性鉄欠乏症」や「鉄欠乏性貧血」の場合、収入鉄が多くなりすぎる④はあまり考える必要はなく

 

⑤入ってくる鉄(収入鉄)出ていく鉄(支出鉄)=貯蔵鉄が減る

 

場合を考えるのが大事になるのですね。

 

 

**********

 

 

ただ、先ほど書いた部分をもう一度よく見てみると

 

普段の生活をしていれば入ってくる鉄の量(収入鉄)には限りがあること

 

とあります(赤字の部分が変わっているのに気が付きましたか?)。

 

じゃあ

 

「普段の生活」って何?

 

となりますよね。

 

「普段」や「普通」という言葉はさらっと流されたり、なんとなく分かったような気になる便利な言葉ですが、なかなか微妙な言葉だと思っています。

なぜかというと、人それぞれ「普段」や「普通」というのは違うよなぁ・・・と感じるからなんです。

例えば朝何時に起きるのが「普通」か・・・と言うと午前6時や7時に起きる人がいるかと思えば、夜働いていらっしゃる人にとっては夕方起きるのが「普通」だったりします。

また「普段」の食事の回数を考えてみても、1日1食から3食(人によっては5食など)までいろいろ違いがあるはずです。

 

なので今回このブログでは

 

・食事をある程度バランスよく食べている(「ある程度バランスよく」も微妙ですが、長くなるので今回は省略させていただきます)

・鉄の含まれているサプリメントや健康食品などはとっていないか、とっていても1種類で用法、用量をしっかり守ってい

 

場合を

 

「普段」の生活

 

としておきます。

 

ということは逆に言えば

 

・極端な「偏食(たまたま好きなものに鉄分が多く、そればっかりを食べる、鉄分が多く身体によいと言われたものをたくさん食べるなど)」がある

・身体によいから、もしくは足りなくなると心配だから、などの理由で鉄の含まれるサプリメントや健康食品を用法・用量を超えてとったり、何種類もとっている

 

場合や

 

・病院からもらった鉄のお薬を自分の判断で飲み続けたり、飲む量を増やしたりする

 

などの場合には収入鉄が増えすぎる可能性があるのです。

 

 

またもう一つの

 

「貯蔵鉄」は増えすぎるとかえって身体に悪さをするで、身体に貯められる量はある程度決まっていること

 

で書いた

 

「貯蔵鉄」がどうして身体に悪さをするのか?

 

については後日別のブログで書く予定でいますのでお待ちください。

 

**********

 

いかがでしたでしょうか?

 

 

次回は

 

②なぜ隠れ貧血になるのでしょうか?~part2 鉄はどこから入ってきて、どこから出ていくのか?~

 

についてお話する予定です。

今回のブログをここまで読んでくださった方は、「鉄がどこから入ってくる」のかなんとなくわかっていただけたかと思います。

 

 

長くなりましたので今日はこの辺で。

本日も最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。

 

けい先生

 

 

**********

 

 

目黒みらい内科クリニック

 

糖尿病を中心とした生活習慣病(高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症など)呼吸器内科ならびに内科一般

 

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