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コレステロールのお話⑥ ~コレステロールの多い食品とどう付き合う~

こんにちは。目黒みらい内科クリニック院長のけい先生です。

 

コレステロールくんのお話だけで気づけば6回目。

ゆっくりと進んでいますが本日もお付き合いください。

 

今日は

 

「コレステロールの多い食品とどう付き合う」

 

かについてお話していきます。

 

コレステロールのお話①~コレステロールについて~

 

でお話した通り、コレステロールなどの脂質がないとそもそも私たちの身体は維持できません。

まだ読んでいらっしゃらない方は是非上記ブログもご覧ください。

コレステロールは人間にとって本当にありがたいものなのですね。

 

ただそうとは分かっていても健康診断や人間ドックなどの血液検査でLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高い、と言われると

 

「コレステロールが多い食べ物は控えたほうがいいのかな?」

「脂っこいものは控えた方がいいのかな?」

 

などまず食べ物をどうしたらよいのか、と気になる方は少なくないのではないでしょうか?

 

その様な方に今日はお話していきますね。

 

 

①コレステロールが多い食品は?

 

さてここで皆様に質問です。

 

コレステロールが多い食品と聞くとどんなものをイメージしますか?

 

(東京都病院経営本部ホームページより抜粋)

 

上の表を見ると肉、魚、卵、乳製品、油脂類、菓子類など多岐にわたっています。

好き嫌いはもちろんあると思いますが、

 

美味しくてクセになりそう

 

な食品が多く名を連ねていますよね。

私は手羽先、うなぎ、鶏卵、バターあたりが好きですが皆様はどうでしょう?

 

そしてコレステロールが高いから食べるのを控えましょう、と言われても

 

美味しいので控えるのは難しい

食べるものがなくなってしまう、どうしたらいいんだ

 

と感じてしまう方もいらっしゃるかと思いますし、主治医の先生よりその様に言われて困った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

 

②コレステロールを含む食品とどう付き合う?

 

 

今までLDLコレステロールが高い方に対しては、上の表にあるような

 

「コレステロールを多く含む食品を控える」

 

食事療法が大切と言われていたのですが、最近(2015年)その食事療法について考え方が大幅に変わったのです。

 

 

2015年の厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」で、

 

「健常者において食事中コレステロールの摂取量と血中コレステロール値の間の相関を示すエビデンスが十分ではないことから、コレステロール制限は推奨しない」

 

となったのですね。

 

要するに

 

「健康な人には食品のコレステロール摂取量の制限はすすめません」

 

という発表が出たのです。

 

ただこの文章を反対に読みかえてみると

 

「すでに(動脈硬化が原因で起こる)病気を持っている人には食品のコレステロール摂取の制限をおすすめします」

 

となりますので、動脈硬化を原因とした病気をお持ちの方はくれぐれもご注意下さい。

 

 

なぜこの様なことになったのでしょうか?

 

これには身体のコレステロールの調節について知っていただくのが大切なんです。

 

 

③身体はコレステロールの量をどのように調節しているのでしょうか?

 

身体にあるコレステロールですが、実は

 

70~80%は肝臓で作られ

20~30%が食事からとる

 

ものなんです。

 

実は食べ物から入ってくるコレステロールの量よりも、肝臓で作られるコレステロールの量の方が多いのです。

これだけでも食べ物由来のコレステロールの影響は少ないことが分かります。

 

さらに人間の身体はよくできていて、身体にあるコレステロールの量が一定になるように調整してくれているのです。

 

つまり

 

・食事から身体に入ってくるコレステロールの量が増える→肝臓で作るコレステロールの量が減る

・食事から身体に入ってくるコレステロールの量が減る→肝臓で作るコレステロールの量が増える

 

のです。

 

食事でコレステロールの多い食品を(ある程度)取ったとしても、その分肝臓で作るコレステロールの量を(ある程度)減らすことで対応してくれるわけなんです。

そのため食事中のコレステロールの量は(あまり)気にしなくてもよい、と言われるようになったのですね。

 

 

それでは

 

どれだけ何でも好きなだけ食べていいか

 

というと残念ながらそういうわけではありません。

やはり

 

食べすぎはよくない

 

のです。

 

例えばけい先生の外来でこんな方がいらっしゃいました。

 

ご自分で居酒屋をやっていらっしゃる60代の女性。

LDLコレステロールが高く、外来を受診されました。

お話をお聞きしたところお店で出す煮卵が好きで、1日に煮卵を7個から8個ほど食べていたとのこと。

上の表にあるように、鶏卵1個(Mサイズ)のコレステロールが250㎎とするとそれだけでコレステロールを1日

 

1750㎎~2000㎎

 

も取っていたことになります。

 

(これから先は細かい計算になりますので、飛ばしていただいても大丈夫です。)

ちなみに体重50kgの人で肝臓が作るコレステロールの量は1日600~650mgと言われています。

そして20歳以上の人が1日に取るコレステロール量の平均値は324㎎(平成 29 年国民健康・栄養調査より)で、その40~60%が吸収されますので約130㎎~200㎎が身体に入ることになります。

 

そうすると

 

肝臓でのコレステロール合成量+食事からのコレステロール吸収量=730㎎~850㎎/日

煮卵7,8個からのコレステロール吸収量700㎎~1200㎎/日

 

と煮卵だけで1日のコレステロール量を超えてしまい、肝臓で全くコレステロールが作られないとした場合でも、明らかに多いですよね。

しかもこれが毎日となるとLDLコレステロールが上がるのもうなずけます。

 

この場合は上記をもとにさすがに食べすぎですよ、とお話して煮卵を1日1~2個に控えていただいたところ、お薬が必要ない程度まで自然に下がりました。

 

また他にも

 

・ワインとチーズが好きで、毎日好きなだけチーズを食べていた男性の方

・焼き鳥屋に2日に1回ほどいき、お店のメニューを端から端まですべて食べるのを楽しみいしていた男性の方

 

なども生活を変えていただくことでお薬がいらない程度まで下がりました。

 

ただご注意いただきたいのは、明らかにコレステロールを多く含む食品を取りすぎているな、と考えられる方で食事量の調整をして頂いても、LDLコレステロールが下がらない方がいらっしゃることです。

こればかりは試してみないと分からないのですね。

 

 

糖尿病もそうですし、他の生活習慣病もそうですがいずれにせよ

 

・食事の食べすぎ、アルコールの飲みすぎ、間食の取りすぎ、ジュースの飲みすぎ・・・

 

は身体によろしくないわけです。

 

 

そしてどこかで聞いたことがあるかと思いますが、

 

・バランスよく、腹八分目

 

に食べるのを心がけるのが大事なんです。

(そうは言っても美味しいものにいつも豊富に囲まれている今の時代、取り組むのが大変なことなんですよね・・・)

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

けい先生の外来では上記のようなお話に加え、普段どのようなお仕事や生活をされているかもお聞きし、検査結果を確認した上でお薬が必要かどうかの判断を致します。

LDLコレステロールが高い、と言われた方やそのほか生活習慣病を指摘された方はお気軽にご相談下さい。

 

 

今日も長くなりましたがこの辺で。

本日も最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。

 

けい先生