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「隠れ貧血」、知っていますか? その① ~潜在性鉄欠乏症について~ 

こんにちは。目黒駅東口より徒歩3分、白金台駅より徒歩10分 目黒みらい内科クリニック院長のけい先生です。

 

最近一気に寒さが強くなってきましたね。

厚着をして、背中をまるめて歩く姿の方が増えてきました。

けい先生は手先が冷えやすいので、ここまで寒くなるとカイロ、マフラーは手放せません・・・。

 

さて、今日はこの「冷え」とも関係のある

 

「隠れ貧血」

 

のお話です。

 

「貧血」については聞いたことがあるけど、

 

「隠れ」貧血って何?

 

と思う方が多いと思います。

 

これから

 

①貧血とは何ですか?

②なぜ隠れ貧血になるのでしょうか?

③どのような検査を受けますか?

④治療はどうなりますか?

 

について何回かに分けてお話していきますね。

 

 

①貧血とは何ですか?

 

 

貧血という言葉は

 

・なんか最近ふらふらするし、貧血気味だな・・・

・めまいや立ちくらみがあるから、貧血かな・・・

・疲れやすいし息が切れるし、貧血かもしれない・・・

 

など普段の会話でもよく使われたり、聞いたりすることがあると思います。

 

こういった症状は確かに貧血でも出てくることがあるのですが、貧血以外の病気でも見られることがあるのですね。

なので症状だけから

 

貧血ですよ

 

と診断することは出来ないのです。

 

逆に何も症状を感じていなくても貧血の場合もあります。

 

では貧血はどのように診断するかというと、

 

血液検査

 

が必要になるんです。

 

血液検査は会社の健康診断や人間ドック、病院やクリニックを受診した時などに受けたことのある方が多いと思います。

もし手元に検査結果がある方はちょっと用意してみて下さい(結果がなくてももちろん大丈夫です)。

 

 

1)貧血は、血液検査の何を見て診断しますか?

 

 

貧血を診断する時にまず医者が見る検査項目は

 

・赤血球数   (Red Blood Cell:略してRBCとも書きます)

・ヘモグロビン (Hemoglobin:略してHbとも書きます)

・ヘマトクリット (Hematocrit:略してHtとも書きます)

 

の3つなんです(他にもあるのですが省略させていただきますね)。

会社の定期健康診断などの場合、3つ目のヘマトクリットは検査されていない場合もあります(今回ヘマトクリットの説明は省略させていただきます)。

 

この3つの検査項目が基準値の中に入っていれば私たち医者は

 

貧血はないんだな

 

と判断しますし、基準値よりも低ければ

 

貧血があるな

 

と判断するわけです。

 

 

3つともどれも大切ではあるのですが、この中で医者が一番注意して見るのは

 

・ヘモグロビン

 

の値なんですね。

それでは折角なので赤血球、ヘモグロビンについてお話ししますね。

 

 

2)赤血球やヘモグロビンとは何ですか?

 

 

この2つですが

 

・なんとなく聞いたことがある

・だけどなんだかよく思い出せない

 

という方がいらっしゃるかもしれません。

 

いつ習うのか確認してみたら、中学校の理科の授業で学習しているのですね。

なんとなく名前が記憶に残っているのはこのお陰ですね。

 

またその働きについては

 

赤血球は肺から吸った酸素を身体のすみずみまで運ぶもの

 

と覚えている方もいらっしゃると思いますが、

 

赤血球とヘモグロビンの違い

 

についてはよくわからないのではないでしょうか。

 

これからちょっと復習してみましょう。

まず赤血球の形についてこちらをご覧ください。

 

病院の検査の基礎知識 ホームページより抜粋)

 

見てみると

 

・「赤」い「血」の色をした「球」=赤血球

 

ですね。

 

球というより円盤みたいですし、真ん中がすこし凹んでいるのですが漢字からイメージしやすいですね。

そしてこの赤血球ですが、とても柔らかいためぐにゃっと形を変えることができるのです。

 

形を変えられると何がよいの?ということなんですが、少し細長く変形できることで、自分より細い血管の中にも入っていけるのです。

このおかげで「毛細血管」という赤血球よりも細い血管の中まで入っていくことができ、身体のすみずみの必要な場所に酸素を渡せるわけなのです。

 

 

まるで狭い隙間を通る猫みたい・・・ですね

 

 

またヘモグロビンですが、これは

 

・赤血球の中にあるタンパク質のこと

・このタンパク質(ヘモグロビン)に酸素がくっつく

 

のですね。

 

あんこたっぷりのおまんじゅうで考えると、

 

・皮を含めたおまんじゅう全部・・・赤血球

・あんこ・・・ヘモグロビン

 

みたいな感じです。

 

まとめると

 

・赤血球とヘモグロビンは、別々に存在しているわけではない

・ヘモグロビンをたくさん中に詰めて、身体のすみずみまで運んでくれる「いれもの」が赤血球

・酸素がくっつくのは「ヘモグロビンのいれもの」である赤血球ではなくて、ヘモグロビン

 

と言えます。

 

 

さらに赤血球とヘモグロビンの細かい構造を知りたい方、もう少しお付き合いくださいね。

 

看護roo! ナースみんなのコミュニティー ホームページより抜粋)

 

赤血球の中にヘモグロビン(オレンジの玉)がぎっしり入っているのが分かります。

このヘモグロビンに酸素(青い球)がくっつくのですね。

 

ヘモグロビン(オレンジの玉)をさらに細かく見るとこんな感じです。

 

看護roo! ナースみんなのコミュニティー ホームページより抜粋)

 

細かい名前と構造はもちろん覚えなくて大丈夫ですよ。

 

ただ1点大切なのは、このヘモグロビンを作るのに

 

鉄(元素記号:Fe)

 

が必要、ということなんですね。

これだけ覚えておいてください。

 

 

ここまではよいでしょうか。

 

 

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【余談その①】

 

糖尿病の検査の

 

ヘモグロビンA1c(Hemoglobin A1c:略してHbA1cとも書きます)

 

ですが、こちらも「ヘモグロビン」という名前が入っています。

 

「何か関係あるのかな?」

 

と興味を持っていただいた方・・・その通り、関係あるんです。

よければ下記ブログもご覧くださいね。

後半部分にヘモグロビンA1cについての説明がありますよ。

 

糖尿病のお話② ~血糖値、ヘモグロビンA1cとは何ですか?~

 

【余談その2】

 

赤血球とヘモグロビン、ヘマトクリットは男性と女性で基準値が違います。

 

赤血球数:

男性:430~570 x 10の4条/ul

女性:380~500 x 10の4条/ul

 

ヘモグロビン:

男性:13.5~17.5 g/dL

女性:11.5~15.0 g/dL

 

ヘマトクリット:

男性:39.7~52.4 %

女性:34.8~45.0 %

 

といずれも男性の方が高いですね(検査の会社によって基準値が異なる場合がありますのでご了承ください)。

 

これはなぜかというと、

 

男性ホルモンと女性ホルモンの違い

 

にあると言われています。

実は男性ホルモンである「テストステロン」が、血を作るよう身体に強く働きかけるのです。

その結果、男性の赤血球やヘモグロビンの値は女性より高くなっているのですね。

男性に対して

 

「あいつは血の気が多いやつだな」

 

ということはあっても女性にはあまり使わないのは、このホルモンの違いによる影響もあるのですね。

 

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3)隠れ貧血とは何ですか?

 

 

ところが血液検査で赤血球やヘモグロビンなどの値が基準値の中にあり、貧血がないと診断された方の中に

 

・しばらく時間がたつと貧血になっていきそうな方

・貧血になる一歩手前の方

 

などが隠れている場合があるんです。

この状態を

 

隠れ貧血(潜在性鉄欠乏症)

 

といいます。

 

が足りない状態(=鉄欠乏症)が潜んでいる(潜在性)

 

ので潜在性鉄欠乏症ともいうのですね。

 

この隠れ貧血ですが、実は貧血になっていなくても鉄が足りないことが原因でいろいろな症状が出てくる場合があることが分かってきており、最近注目されているのです。

 

 

次回以降、

 

②なぜ隠れ貧血になるのでしょうか?

③どのような検査を受けますか?

④治療はどうなりますか?

 

を順にお話していく予定です。

 

 

本日は長くなりましたのでこの辺で。

 

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

 

けい先生

 

 

追伸:1/27続きのブログをアップしました。

こちらもあわせてお読みください。

「隠れ貧血」、知っていますか? ②なぜ隠れ貧血になるのでしょうか?~part1 身体の鉄の動きを考えてみる~

 

**********

 

目黒みらい内科クリニック

 

糖尿病を中心とした生活習慣病(高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症など)呼吸器内科ならびに内科一般

 

の診療をしております。

 

・糖尿病や生活習慣病が心配な方や、すでに治療を受けているものの転勤などに伴い通院先を探している方

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・健康診断で再検査と言われた方(貧血、肝機能検査を含めた血液検査、尿検査、胸部レントゲン、呼吸機能検査など)

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