糖尿病のお話② ~血糖値、ヘモグロビンA1cとは何ですか?~
こんにちは。目黒駅東口より徒歩3分、白金台駅より徒歩9分 目黒みらい内科クリニック 院長のけい先生です。
暖かかったり寒くなったり・・・天気が目まぐるしく変化しますね。
特に気温の変化が大きいと体調を整えるのも大変です。風邪をひきやすくもなりますので皆様どうぞお気を付けください。
さて今日は
糖尿病の検査(血液検査)
についてのお話です。
①血糖値=グルコース
②ヘモグロビンA1c(HbA1c)
の順番で進めていきますね。
①血糖値=グルコース
病院によっては「グルコース」とも書かれていますが、血糖値=血液の中のグルコース(ブドウ糖)の濃度ですので
血糖値とグルコースは同じ
と考えて下さい。
毎日いろいろな食べ物、飲み物を口にしますが、それらが胃や腸で分解されて体に吸収されますね。
とくに炭水化物が細かく分解され、体に入ると血糖値(グルコース)が上がってきます。
私たちが話をしたり、歩いたり、はたまた座ったり寝ているときにも体を維持するための燃料が必要なのですが、その燃料の主なものがグルコースなんです。
気温の変化が大きいと体に負担がくるのと同じように、血糖値が上がりすぎても下がりすぎても体にとっては負担になるので、
血糖値がいつもある範囲でいられるよう体が自動で調節
してくれているんですね。
そのある範囲とは
・おなかが減っているとき:血糖値(グルコース) 110㎎/dl未満
・ご飯を食べて2時間程度:血糖値(グルコース) 140mg/dl未満
とされています。
健康な方は食事を食べた後でも血糖値(グルコース)は140を超えず、おなかが空くと110未満に下がるのですが
糖尿病の気がある方や糖尿病の方はこの数値を超えてきてしまうのです。
上がるパターンは人によって違うのですが、
・食事を食べた後に血糖値が高くなるが、おなかが減るとしっかり下がる(食後高血糖型)
・食事を食べた後に血糖値は高くならないが、おなかが減っても高いまま(空腹時高血糖型)
・食事を食べた後でも、おなかが減っても高い
方に分かれます。
病院やクリニックで血糖値(グルコース)を測るときに
「検査の時には食事を抜いてきてくださいね」
と言われることがあると思います。
それは
・おなかが減っているときの血糖値(グルコース)
を確認したい場合ですね。
逆に
「検査の時でも普通に食事してきていいですよ」
と言われるときは
・食事を食べた後の血糖値(グルコース)
を確認したいということになります。
血糖値を見ることで、普段の動きをある程度把握できます。
さらに食事のパターンや生活リズムもあわせて確認することで、普段の生活でどんなことに気を付けたほうがよいのかもお話しできますし、
お薬を選ぶ際にもとても役に立つのです。
②ヘモグロビンA1c(HbA1c)
血糖値は確かに「血液検査をしたその時」の状態は教えてくれるのですが、逆に言えばそれ以外の時間の血糖値の動きは全く分かりませんね。
あくまでも
「点」
でとらえた検査になります。
食事を食べる、ジュースを飲む、おやつを食べるなどすれば血糖値は上がりますし、運動したり、食べない時間が長くなれば血糖値は下がってきます。
たとえば1日3回食事をとれば、血糖値も上がって、下がってを3回繰り返すことになりますね。
でも食事と食事の途中でおやつを食べれば、血糖値が下がっている途中からまた上がりますし、
夜に飲み会があって、長い時間アルコールや食事をとり続ければ血糖値が上がったまま・・・ということもあります。
ではそのような血糖値の動きをもう少し長い期間でとらえられる検査はないものか、と考えられ出てきたのが
・ヘモグロビンA1c(HbA1c)
なんです。
おおよそ過去1か月~2か月の血糖値の動きの平均を表している、と言われています。
血糖値が「点」なら、より長い
「線」
で確認するイメージです。
気温で例えると
・血糖値:4月1日午前6時の気温
・ヘモグロビンA1c:2月1日から3月31日までの平均気温
という感じですね。
またこの「ヘモグロビンA1c」の「ヘモグロビン」は貧血の検査の指標でもあります(「血色素量」ともいいます)。
ヘモグロビンA1cは、
血液を流れている赤血球の中の「ヘモグロビン」というタンパクに、何%グルコースがくっついているか
を見る検査なんです。
血液中の血糖値が高いほど、ヘモグロビンにくっつくグルコースが増えてきます。
その基準は
・ヘモグロビンA1c値 6.5%以上で糖尿病
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