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コレステロールのお話① ~コレステロールはどんな働きをしてくれていますか?~

こんにちは。目黒駅東口より徒歩3分、白金台駅より徒歩9分 目黒みらい内科クリニック院長のけい先生です。

 

久しぶりにからっとした気持ちの良い天気になりました。絶好の洗濯日和ですね。

 

今日は少しテーマを変えまして、

 

コレステロール

 

についてお話したいと思います。

 

このコレステロール、一度は耳にしたことがある方が多いともいます。

 

コレステロールは脂質(ししつ)の一種です。ただ「脂質」は聞きなれない言葉ですので、ざっくりと「あぶら」としておきましょう。

 

「あぶら」は

 

水に溶けない

 

ですね。水と混ぜると上に浮いてしまうやつです。

(*脂質と脂肪、あぶらの違いについてはまた別の機会にお話しする予定です。)

 

このあぶらの一種のコレステロールですが、あまりよいイメージを持っていない方も多いのではないでしょうか?

 

「あの悪玉、善玉のあるやつでしょう?」

「動脈硬化の原因にもなるし」

「心臓病や脳卒中の原因にもなるんでしょう?」

 

こんな声が方々から聞こえてきそうですね。

食用油では「コレステロールゼロ」と書いてあるものもありますし・・・。

 

確かにそんな面もあるコレステロールくん(あえて今回は「くん」とつけてみましょう)なのですが、実際はどんなことをしてくれているのでしょうか?

糖分もそうですが、私たちの身体を保つのに役立ってくれてきたからこそ今まで残っているのですよね。

そこで今回はあまり知られていないコレステロールくんの働き、お話ししていきますね。

 

コレステロールくんは大きく分けて3つの大事な役目を果たしてくれています。

 

①細胞の膜に必須の成分

②ステロイドの材料

③脂肪の消化、吸収に役立つ

 

どれもなくては困るものですが、お話していきましょう。

 

①細胞の膜に必須の成分

 

人間の身体には約60兆個からなる細胞があると言われていますが、この細胞の1個1個は膜(細胞膜)で包まれています。

この細胞膜を作るのに、コレステロールくんが必要なんです。

コレステロールくんが細胞膜にないとどうなるか?というと、

 

細胞が固くなってしまう

 

と言われています。

 

私たちが滑らかに動き、活動できるのもこのコレステロールくんが細胞膜にあるおかげなんです。

もしコレステロールくんがいないと、こんなに柔らかくしなやかな体にはならなかったでしょうし、

体つきも表情ももっと固くこわばったものになってしまうかもしれませんね。

 

 

②ステロイドホルモンの材料

 

まずホルモンは身体でどんなことをしてくれているのでしょう?

 

私たちはいつも全く同じ状態ではなく、常に変化をし続けています。

身体の中もそうですし、天気、気温、湿度などの環境や仕事、人間関係などの影響も受けますよね。

その様な状態でも身体はいつもある程度同じ働きが出来るようになっています。

例えば動物のように冬寒くなっても冬眠しなくてよいのもその身体の働きのお陰ですね。

これをホメオスターシス(恒常性の維持)というのですが、このホメオスターシスを保つのがホルモンの大事な役目なのです。

 

このホルモンにはいくつか種類があるのですが、「ステロイドホルモン」というホルモンがあります。

副腎皮質ホルモンや性ホルモン(アンドロゲン、エストロゲン)などですね。

実はこのステロイドホルモンが、コレステロールくんを原料に身体でつくられるものなのです。

 

 

③脂質(あぶら)の消化、吸収に役立つ

 

私たちの身体に脂質はなくてはならないものですが、先ほども書いたように

 

脂質(あぶら)は水に溶けない

 

ので、身体に取り込むのにも工夫が必要なのですね。

 

どの様な工夫をしているかというと、肝臓でコレステロールくんから作られる

 

胆汁酸(たんじゅうさん)

 

という液体を使って身体に取り込んでいます。

 

また新しい言葉が出てきましたので少しお話しますね。

 

肝臓の下に胆嚢(以下胆のうと書きます)という袋があるのをご存知でしょうか?

(よくわかる健診・人間ドックガイドホームページより抜粋)

 

肝臓で胆汁(たんじゅう)という液体が常に作られて、一旦胆のうに送られます。

この胆汁はほとんどが水ですが、この中に胆汁酸やビリルビンなどといったものが含まれているのです。

普段胆汁は胆のうの中で出来るだけ濃くして貯められています。

 

食べ物が入ってくると、胆のうが縮むことで中にたまっていた濃い胆汁が(総胆管などを通って)十二指腸に出てきてきます。

その際膵臓から出てきた消化酵素と一緒になって、脂質(あぶら)の分解、吸収をしてくれるのです。

 

人間ドックや健康診断で腹部超音波検査(腹部エコー)をする場合、食事を抜いてきてください、と言われると思います。

これは食事をしてしまうと胆のうが縮んで小さくなってしまい、しっかりと見えなくなってしまうからなのですね。

お腹が空いて大変ですが、是非検査の前は食事を抜いてきてください。

 

ちなみに胆嚢の「嚢(のう)」とは「ふくろ」の意味です。

 

胆嚢=胆汁をためる袋

 

なんだな、と覚えておいてくださいね。

 

 

以上コレステロールくんの働きについてお話ししました。

ちょっとイメージのよくないコレステロールくんが、実はこれだけ大事な役目を果たしてくれているんだな、と思っていただけるとありがたいです。

研究がすすむと、いままでに知られていない新しい働きも分かるかもしれません。

 

今後、身体の中でのコレステロールの動きなどについてもお話していきたいと思います。

 

本日も最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。

 

けい先生

 

**********

 

目黒みらい内科クリニック

 

糖尿病を中心とした生活習慣病(高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症など)呼吸器内科ならびに内科一般

 

の診療をしております。

 

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