2026年秋、インフルエンザが早くも流行|新型コロナも見逃せません
最終更新日:2026年10月7日
こんにちは。目黒駅東口より徒歩3分、白金台駅より徒歩9分 医療法人社団FU-WA 目黒みらい内科クリニック院長のけい先生です。
2026年は例年よりかなり早い時期からインフルエンザの流行が始まっています。
当院でも9月末頃から発熱や喉の痛み、節々の痛み、身体のだるさなどを訴えて受診される方が増えてきました。
そうした患者さんにインフルエンザの検査を行い、陽性であることをお伝えすると、
「インフルエンザだとは思いませんでした」
と驚かれる方がいらっしゃいます。
特に熱がそれほど高くなかった方、喉の痛みなどがそこまでつらいと感じていない方から、このような言葉が返ってくる印象があります。
おそらく多くの方が、
「インフルエンザなら高い熱が出るはず」
「喉の痛みもつらいはず」
というイメージをお持ちなのだと思います。
一方で高い熱が出て、喉が痛く、身体もだるい。
患者さん自身も、
「これはインフルエンザだと思います」
と受診されたものの、実際に検査をしてみると新型コロナウイルス感染症だった、ということもあります。
最近は新型コロナウイルス感染症について報道で取り上げられる機会が以前より少なくなっています。
そのため検査で新型コロナ陽性であることをお伝えすると、
「コロナだとは考えていませんでした」
と驚かれる方も少なくありません。
今の外来を診ていて感じるのは、
インフルエンザなのか、新型コロナなのか、症状だけでは分からないことがある
ということなのですね。
そこで今回は、現在の外来で実際に起きていることをもとに、
「熱が高くなくてもインフルエンザのことがあるの?」
「インフルエンザと新型コロナは症状で見分けられるの?」
「熱が出たらいつ検査を受ければいいの?」
「陽性になったらいつまで会社や学校を休めばいいの?」
「家族とはどう過ごしたらいいの?」
といった、最近よくいただく質問についてお話ししていきますね。
【お時間のない方へ|この記事の要点】
2026年秋は、東京都で例年より早くインフルエンザが流行しています。
一方、新型コロナウイルス感染症もなくなったわけではなく、当院の外来でも陽性となる方を診ています。
インフルエンザでも高い熱が出ないことがありますし、「インフルエンザだと思っていたら新型コロナだった」ということもあります。
そのため症状だけからご自分で決めつけないことが大切です。
また発症してすぐの抗原検査では、感染していても陽性に出ないことがあります。検査が陰性でも感染を否定できないことがあり、症状や経過によっては再検査などが必要になることもあります。
症状がそれほど強くなく全身の状態が安定している場合には、まず身体を休め、少し時間をおいてから検査することも大切です。
ただし、高齢の方、基礎疾患がある方、妊娠中の方などは、症状が軽くても早めに医療機関へご相談ください。
意識がおかしい、呼吸が強く苦しいといった場合には、通常の外来受診を待たず、119番など救急対応を求めてください。
また、水分がとれない、唾液も飲み込めないほど喉が痛いなど、強い症状がある場合にもできるだけ早く医療機関を受診してください。
【目次】
③インフルエンザと新型コロナは症状だけでは分からないことがあります
⑥いつから会社・学校へ戻れますか? 家族とはどう過ごせばいいですか?
①2026年秋、インフルエンザが早くから流行しています
今年は例年よりかなり早い時期からインフルエンザの流行が始まりました。
東京都では2026年8月の時点ですでに流行開始の目安を超え、9月には注意報基準を超えています。
当院でも9月末頃から、インフルエンザの患者さんが明らかに増えてきた印象があります。
感染の広がり方を見ていると、最初はお子さんがインフルエンザになり、そこから親御さんへ感染する。
さらに会社勤めの方や、お孫さんの面倒を見ているおじいちゃん・おばあちゃん世代へと感染が広がっている様子を日々の外来でも感じています。
当院で現在インフルエンザ陽性となる方は、インフルエンザA型がほとんどです。
そして今年のインフルエンザ流行について考える際に、もう一つ忘れてはいけないものがあります。
新型コロナウイルス感染症です。
ニュースではインフルエンザの早期流行についての記事が目立ちますが、新型コロナウイルス感染症がなくなったわけではないのですね。
当院でも引き続き新型コロナウイルス陽性となる患者さんを診ていますし、9月末以降は陽性となる方が増えていると感じています。
症状が出た場合、インフルエンザだけを考えていればよい状況ではないのですね。
②高熱がなくてもインフルエンザのことがあります
現在当院で診ているインフルエンザA型の患者さんでは、発熱、寒気、喉の痛み、節々の痛み、身体のだるさなどの症状が強く出ている方が多い印象があります。
その一方で、
「熱はそれほど高くないんです」
という方もいらっしゃいます。
そのような方を検査してインフルエンザ陽性だとお伝えすると、
「インフルエンザだとは思いませんでした」
と驚かれることがあります。
インフルエンザというと、
「39℃や40℃といった高い熱が出る病気」
というイメージを持っている方が多いと思います。
もちろん高い熱が出る方は多いのですが、すべての方に高熱が出るわけではありません。
「熱がそれほど高くないからインフルエンザではない」
とは言い切れないのですね。
また数は多くありませんが、お腹が緩い、気持ちが悪いといった胃腸の症状で受診され、検査をしてみるとインフルエンザだった方もいらっしゃいます。
典型的なインフルエンザの症状ではないからといって、インフルエンザの可能性がないわけではないのですね。
③インフルエンザと新型コロナは症状だけでは分からないことがあります
もう一つ現在の外来でよく感じるのが、
インフルエンザと新型コロナウイルス感染症は症状だけで見分けるのはとても難しい
ということです。
たとえば、高い熱が出て、喉も痛い。身体もだるい。
患者さん自身も、
「インフルエンザだと思います」
とおっしゃる。
ところが実際に検査をしてみると新型コロナウイルス感染症だった、ということがあります。
逆に新型コロナでも熱がそれほど高くなく、症状もあまり強くない方がいます。
そのため新型コロナ陽性であることをお伝えすると、「コロナだとは考えていませんでした」と驚かれることもあります。
またご家族にインフルエンザの方がいれば、もちろん同じインフルエンザに感染している可能性は高くなります。
ただまれに検査をしてみると、ご家族はインフルエンザだったけれども、ご本人は新型コロナだったということもあります。
ですので私は診察の際、
「これは検査をしてみないと分からないんですよね」
とお話ししています。
熱の高さだけでも、喉の痛みだけでも、周囲で何が流行っているかだけでも判断できないことがあるのですね。
なお症状が出る少し前の行動も参考になります。
たとえば、飲み会、会社の集まり、社員旅行、修学旅行など、大人数で長い時間一緒に過ごす機会があった。
その数日後から喉が痛い、身体がだるい。
このような場合には熱が高くなくてもインフルエンザや新型コロナウイルス感染症の可能性を考えておいた方がよいと思います。
④熱や喉の痛みが出たら、いつ受診・検査すればいいですか?
ここまで読んで、
「では熱が出たら、心配なのですぐに病院へ行って検査した方がいいのかな?」
と思われる方もいると思います。
実際、この質問は外来でもよく聞かれます。
インフルエンザや新型コロナが心配になると、できるだけ早く検査をして結果を知りたいと思うのは当然のことです。
ただインフルエンザや新型コロナの抗原検査は、発症して間もない時期では感染していても陰性になることがあります。
検査が陰性でも感染を否定できないことがあり、症状や経過によっては再検査などが必要になることもあります。
そのため症状がそれほど強くなく全身状態も安定している場合、当院ではまず安静にして身体を休めていただき、発症から24時間程度たってからの受診・検査をおすすめすることがあります。
ただし、これは「必ず24時間待たなければならない」という意味ではありません。
高齢の方、基礎疾患がある方、妊娠中の方などは、症状が軽くても早めに医療機関へご相談ください。
受診・検査までの間、熱や身体の痛みがつらい場合、お手元に普段使用できる解熱鎮痛薬(解熱剤)があれば用法・用量を守って使っていただいて構いません。
ただし、解熱鎮痛薬には年齢や持病などによって適さないものがありますので、どの薬を使用してよいか迷う場合には医師や薬剤師にご確認ください。
よく、
「病院を受診するから、解熱剤は飲まない方がいいと思いました」
とおっしゃる方がいます。
中には熱が高く、身体がつらくて病院まで来られないのに、解熱剤を使うのを我慢している方もいらっしゃいます。
でもつらい熱を我慢する必要はありません。
解熱剤を使って少し身体を楽にし、水分をとり、休んでいただくことが大切です。
受診される際には、どの解熱剤を何時頃使用したか、分かる範囲で教えてくださいね。
そして、
「できるだけ早くインフルエンザかどうか知りたい」
という方には当院では喉の写真を撮影し、AIを用いてインフルエンザの診断を支援するnodoca(ノドカ)という検査も行っています。
nodocaについては、以前のブログで詳しくご説明しています。
なお、nodocaは診断を補助する検査ですので、結果だけでインフルエンザを確定したり、完全に否定したりするものではありません。
当院ではnodocaをインフルエンザの診断支援に使用しています。新型コロナについて調べる場合には、当院では通常の抗原検査などを含め、その方の状況に応じて検査方法を相談していきます。
一方で、
「1日くらい様子を見てください」とお話しできない症状もあります。
高い熱と強い頭痛があり、意識がもうろうとしている。
水やお茶をほとんど飲めない。
喉が痛く、唾液さえ飲み込めない。
呼吸が苦しい。
このような場合には発症からの時間を気にせず、早めに医療機関を受診してください。
特に意識がおかしい、呼吸が強く苦しいといった場合には、通常の外来受診を待たず、119番など救急対応を求めてください。
インフルエンザや新型コロナ以外の病気が隠れていたり、点滴などの治療が必要な状態になっていたりする可能性もあるからです。
当院では点滴治療は行っておりませんが、診察の結果、点滴やより専門的な検査や治療が必要と判断した場合には総合病院等へご紹介いたします。
⑤インフルエンザ・新型コロナと分かったら、薬は必要ですか?
検査をしてインフルエンザ陽性と分かると、
「インフルエンザの薬は必ず飲んだ方がいいですか?」
と聞かれることがあります。
実は、インフルエンザの薬はすべての方に必須というわけではありません。
インフルエンザは多くの場合自然に良くなっていく病気です。
現在使用されている抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスがこれ以上増えるのを抑えることを目的にした薬となります。
お薬を飲むことでそれ以上インフルエンザウイルスが増えにくくなった結果、症状が続く期間を短くすることなどが期待されています。
ただ実際にはインフルエンザの症状はつらい方が多いため、当院でも患者さんの状態をみながら抗インフルエンザ薬を処方しています。
飲み薬や吸入薬がありますので、その方の年齢、症状、持病などを確認しながら医師が選んでいきます。
一般的に、抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内に治療を開始することが大切です。
特に高齢の方や基礎疾患をお持ちの方では肺炎など重症化することがありますので、積極的な治療をおすすめしています。
新型コロナウイルス感染症についても、すべての患者さんに抗ウイルス薬が必要というわけではありません。
特に65歳以上の方や基礎疾患をお持ちの方など、重症化や入院のリスクが高いと考えられる方には、抗ウイルス薬の使用を積極的に検討します。
また新型コロナの治療薬の中には、現在飲んでいる薬との組み合わせによって使用できないものがあります。
そのため診察の際には、
「現在どのお薬を飲んでいるか」
を確認したうえで治療薬を選んでいきます。
お薬手帳をお持ちの方は受診時にお持ちくださいね。
さらに、新型コロナの治療薬は、薬によって発症から使用を開始するまでの期限が決まっています。
そのため高齢の方や基礎疾患をお持ちの方など、重症化リスクがある方は早めにご相談ください。
なお、インフルエンザでも新型コロナでも、熱がつらいのを無理に我慢する必要はありません。解熱剤を使いながら身体を休め、水分をしっかりとることも大切です。
⑥いつから会社・学校へ戻れますか? 家族とはどう過ごせばいいですか?
インフルエンザや新型コロナ陽性とお伝えした後によく聞かれるのが、
「いつから会社へ行っていいですか?」
「テレワークなら仕事をしてもいいですか?」
「学校はいつから行けますか?」
という質問です。
中には、
「熱はもう下がったので、明日から会社に行ってもいいですよね」
という方がいます。
ただここで大切なのは、
熱が早く下がったからといって、それで人にうつさなくなるわけではない
ということです。
インフルエンザの場合、学校では「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまで」が原則として出席停止期間となっています。
なお、幼児の場合は「解熱した後3日を経過するまで」となっています。
新型コロナの場合、「発症した後5日を経過し、かつ症状が軽快した後1日を経過するまで」が学校での出席停止期間となっています。
会社員の方については、学校と同じように一律の基準が法律で決まっているわけではありませんので、勤務先の担当の方に社内規定の確認をお願いしています。
ただし新型コロナの場合には一般の方についても、発症日を0日目として5日間は外出を控え、5日目にも症状が続いている場合には、熱が下がり、喉の痛みなどの症状が軽快してから24時間程度が経過するまで外出を控えることが推奨されています。
そのため熱が下がって身体が楽になっても、すぐに出社できるとは限りません。
テレワークができる方であれば無理に早く出社せず、在宅勤務を続けるという選択肢をご検討ください。
またご家族がいる場合には、
「家ではどのように過ごしたらいいでしょうか」
という質問もよくいただきます。
手洗い、うがい、換気はもちろんのこと、可能であれば感染している方とご家族のお部屋を分けてください。
マスクを着けられる年齢の方であれば、感染した方だけでなく、ご家族もマスクを着けることをおすすめしています。
部屋を分けることが難しい場合には、できるだけ長時間の会話を避けるようにしてください。
そしてできれば食事の時間もずらしてもらうようお話ししています。
食事の時にはどうしてもマスクを外します。
そこで会話をすれば、飛沫を介して感染する可能性が高くなります。
家庭内で完全に感染を防ぐのは難しいですが、その時に少しでもできる対応をすることで感染の機会を減らしていきましょう。
⑦ワクチンやインフルエンザ予防投与はどうすればいいですか?
今年はインフルエンザの流行が早かったため、患者さんのワクチンに対する動きも例年とは少し違います。
当院では例年、10月末から11月頃にインフルエンザワクチンを希望される方が多くなる印象があります。
ところが今年は9月末頃から、
「もうインフルエンザが流行っているので早く打ちたいです」
と接種を希望される方が増えています。
このような方には、
ワクチンを今日打ったからといって、明日からすぐに十分な予防効果が出るわけではありません
ということをお話ししています。
ワクチンによる予防効果が期待できる状態になるまでには少なくとも2週間の時間がかかりますので、今流行しているからこそ早めの接種を検討することが大切です。
2026年度の当院のインフルエンザ予防接種については、こちらの記事で詳しくご説明しています。
また、
「家族がインフルエンザになりました。自分も感染するのが心配です」
「どうしても外せない仕事や予定があります」
といったご相談も増えています。
当院ではご家族や同居されている方がインフルエンザになった場合などに、抗インフルエンザ薬を使った予防投与にも対応しています。
ただし予防投与はすべての方に必要なものではありません。
インフルエンザ患者さんとの接触状況や接触からの時間、基礎疾患、今後の予定などを確認したうえで、診察時に予防投与を行うかどうかを判断します。
また、予防投与を行ってもインフルエンザの発症を完全に防ぐことができるわけではありません。
どのような場合に行うのか、どのような薬を使用するのかについては、別の記事で詳しくお話ししています。
家族がインフルエンザに・・・大切な予定を守る「予防投与」とは
⑧診断書が必要な場合もご相談ください
インフルエンザや新型コロナにかかった場合、病気そのものだけでなく、
「学校へ提出する書類が必要です」
「旅行に行けなくなったので、航空券をキャンセルするための診断書が必要です」
といったご相談をいただくことがあります。
特に学生の方は、学校へ提出する書類が必要になることがあります。
なお、インフルエンザや新型コロナから回復して学校へ復帰する際には、治癒証明書や陰性証明書の提出は原則として不要とされています。
ただし、学校独自の書類が必要となる場合もありますので、まず学校にご確認ください。
当院では必要な場合には受診当日に診断書をお書きすることができます。
診断書の費用は税込3,500円です。
また学校から治癒証明書の提出を求められた場合の記載にも対応しており、こちらは税込1,100円です。
旅行直前にインフルエンザや新型コロナにかかり、航空券等をキャンセルする場合にも航空会社から診断書を求められることがあります。
必要な書類は航空会社などによって異なることがありますので、まず提出先に必要書類をご確認いただき、そのうえでご相談ください。
なお書類に関しては、その症状について当院を受診した場合のみ対応しております。
他の医療機関を受診された方は、そちらにご相談ください。
今年は例年より早くインフルエンザの流行が始まっています。
そのため、
「熱が出た。インフルエンザかもしれない」
と考えるのは自然なことだと思います。
ただ現在の外来では新型コロナウイルス感染症の患者さんもいらっしゃいます。
そして、
高い熱がないからインフルエンザではない。
インフルエンザだと思うから、新型コロナではない。
とも言い切れません。
正直、検査をしてみないと分からないことがあります。
だからこそ症状だけで判断しないことが大切です。
一方で、熱が出たからと慌ててすぐに検査へ行けばよいというわけでもありません。
全身状態が安定しているのであればまず身体を休め、水分をとり、つらければ解熱剤を使ってください。
そのうえで、適切なタイミングで検査を受けていただくことが大切です。
ただし高齢の方や基礎疾患がある方、妊娠中の方などは、症状が軽くても早めに医療機関へご相談ください。
意識がおかしい、呼吸が強く苦しいといった場合には、通常の外来受診を待たず、119番など救急対応を求めてください。
また、水分がとれない、唾液も飲み込めないほど喉が痛いなど、いつもと違う強い症状がある場合にはできるだけ速やかに医療機関を受診してください。
「自分は大丈夫だろう」と決めつけず、でも必要以上に慌てず、その時の症状に合わせて対応していきましょう。
目黒みらい内科クリニックではインフルエンザ・新型コロナウイルス感染症を含めた検査、診察、治療を行っています。
心配な症状がある方はご相談ください。
医療法人社団FU-WA
目黒みらい内科クリニック
院長 太田啓介
