花粉症と喘息は関係ありますか?
こんにちは。目黒駅東口より徒歩3分、白金台駅より徒歩9分 目黒みらい内科クリニック院長のけい先生です。
今日の東京は2月にも関わらずポカポカ。最高気温が22度まで上がる予報が出ています。
遠くのビルがもやっと見えますので、春霞(はるがすみ)のようですね。
いずれにせよ春はもうすぐそこに来ている感じがしますので、手の冷えやすいけい先生にはうれしいことです。
ただ残念ながらこの春霞のなかに、花粉も混ざっていると思われます。
参考までに今日の花粉情報を見てみましょうか。
インターネットで「日本気象協会 花粉」と入力し検索すると
が出てきます。
こちらでは
・今日の花粉飛散情報
・週間花粉飛散情報
が分かりますし、それに加えて
・都道府県、市区町村別
の情報まで確認できます。
これを見ると外出の時にどれだけ花粉に注意すればよいかわかりますし、洗濯を外に干すか迷った場合の参考にもなりますのでお勧めです。
ためしにまずは全国から見てみましょう。
西日本から東海、関東地方まで花粉の飛散が多い状態になっています。
では次に目黒みらい内科クリニックのある東京都ならびに品川区の情報を見てみましょう。
東京都では西部の方が花粉量が多いようですね。
品川区では本日(2月21日)よりも明日の方が花粉の飛散が多そうだな、ということが分かります。
気温が上がると花粉の飛散量が増えると言われていますので、今後注意が必要ですね。
そして2月に入ってから気管支喘息で通院治療を受けている方より
「花粉が飛び出してから、少し苦しい感じがします」
「のどがイガイガする感じがあります」
との訴えがあったり
「花粉症(やアレルギー性鼻炎)と喘息って関係あるんですか?」
と聞かれることが増えてきました。
これについては残念ながら
関係がある
ので今日はこのことについてお話ししましょう。
私たちが息をするとき、鼻(や口)から空気を吸いこみ、それが気管から気管支を通って肺に届きます。
(病気が見える vol.4 呼吸器 Medic Mediaより抜粋)
つまり鼻から気管・気管支までつながっているのですね。
まずつながっていると聞くだけで、花粉症やアレルギー性鼻炎と気管支喘息がお互いに影響しそうなイメージを持っていただきやすいのではないでしょうか。
もう少しつながりをイメージしていただくとしたら
かぜ
の場合を考えて頂くといいですね。
最初はのどの痛みや鼻水から始まったかぜ。
市販薬を飲んで様子を見ていたら治るかな、と思っていたものの胸がヒリヒリして咳が出るようになってしまった経験がある方は少なくないかと思います。
これは
・ウイルス(や細菌など)がのどや鼻で増えて「炎症」が起きる
・次第にこの「炎症」が気管や気管支まで広がっていく
ことで起きるのです(もちろん咳から始まる風邪もありますのでご了承ください)。
*************************************
余談ですが、「炎症」について簡単にお話しすると
「赤くなって、はれて、熱くなって、痛みがある」
状態なんですね。
具体的にはかぜをひいた時の、のどが腫れた状態をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。
この時は普段無意識に飲み込んでいる「つば」でさえも飲みこむのが大変だったりしますよね。
つまり炎症が起きている=刺激にとても敏感になっている状態ともいえるのです。
ちなみにかぜのように数日で症状が治まってしまう炎症のことを
急性炎症
といいますよ。
*************************************
ここまではよいでしょうか。
実は花粉症やアレルギー性鼻炎と気管支喘息、出てくる症状は違うものの
花粉症やアレルギー性鼻炎・・・鼻(からのど)
気管支喘息・・・気管から気管支
にかけて「炎症」が続いているという共通点があるのですね(炎症が続くことを「慢性炎症」と言います)。
先ほどお話ししたように鼻から気管・気管支までつながっているので、鼻から気管・気管支までのどこかに炎症が起きていたら、他の場所にまで影響が出てもおかしくない印象を持っていただけるのではないでしょうか。
実際気管支喘息を持っている人のうち
10人に6人
程の方が花粉症やアレルギー性鼻炎を持っていると言われているのですね。
そして症状が出るか出ないか、どの程度の症状が出るのかに関しては
鼻や気管支で起きている炎症の程度
で変わってくるのです。
鼻や気管支で起きている炎症の具合は普段確認できないのですが
症状のひどさと炎症の程度は関係している
とお考え下さい。
つまり症状がひどければひどいほど、起きている炎症の状態が悪いわけですね。
また花粉症やアレルギー性鼻炎などで鼻の炎症がひどくなった場合、鼻とつながっている気管や気管支の炎症の状態が悪くなり、気管支喘息を持っている方の症状が悪化することもあるのです。
最後になりますが、病院やクリニックで治療を受けて頂く一番の目的は
・困っている症状がよくなる
ことなのですが、それに加えて
・治療をコツコツ、しっかり続けて頂くことでもともとある炎症を抑え、花粉などの刺激が加わっても症状が悪くならないようする
事も大切だと考えています。
本日の内容はいかがでしたでしょうか。
・気管支喘息の検査・治療
・花粉症やアレルギー性鼻炎の検査、治療
も行っています。
また舌下免疫療法(SLIT)も可能ですのでお困りの方は遠慮なくご相談下さい。
本日も最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。
少しでも皆様のお役に立てますと幸いです。
けい先生