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熱中症っぽくなった場合、どんな対応をして、どんな時に病院に行くとよいですか?

こんにちは。目黒駅東口より徒歩3分、白金台駅より徒歩9分 目黒みらい内科クリニック院長のけい先生です。

 

今年の夏はとにかく暑いですね。

目黒みらい内科クリニックのある東京も連日最高気温が35度を超え、外に出ると「暑い・・・」と思わずつぶやいてしまうほど。

テレビやインターネットのニュースでもさかんに「熱中症に注意しましょう」と報道されていますね。

 

ちなみに2020年8月19日(水)14時時点の東京都の熱中症情報を見てみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京都の熱中症情報(WBGT近似値)

 

紫色のアイコンは「危険」なのですが、東京都に複数ある観測地点すべてで

 

「危険」

 

な状態なんですね。

 

ただ熱中症に注意しましょう、と言われても

 

「熱中症について、どこで調べればいいのかな・・・」

「何に注意すればいいのかわからない・・・」

「明日出かける予定があるけど、熱中症にどの程度注意すればいいのか知りたい・・・」

 

などの疑問も出てくるのではないかと思います。

 

その様な方にお勧めなのが、環境省の熱中症についてまとめたサイトです。

 

(環境省 熱中症予防情報サイト)

 

このサイトでは熱中症についての情報、暑さ指数(WBGT)、暑さ対策や参考資料などがまとめて掲載されていて便利です。

興味の方は是非参考にして下さいね。

 

加えてこの環境省のサイトでは、2020年7月1日より

 

熱中症警戒アラート

 (関東甲信地方において先行実施中。関東甲信地方以外は2021年から対象となるとのこと)

 

が発表されるようになりました。

熱中症警戒アラートとは、熱中症の危険性が「極めて高い状況」が予想される場合、熱中症にならないような行動をとってもらう事を目的として環境省より出されるものなんですね。

 

前日夕方または当日早朝に発表

 

されるようですので、外で仕事をされる方や外出を予定している方は事前に確認頂くことで、より熱中症に対して備えられるようになると思います。「備えあれば憂いなし」ですからぜひご活用ください。

 

もしこの熱中症警戒アラートが出た場合、どの様な行動をとるとよいのかということになりますが・・・続けて2つのパンフレットをご覧ください。

 

1)関東甲信地方の皆様へ 熱中症警戒アラート(試行)発表時の予防行動

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小見出しのみ抜粋(一部改変)しますと

 

1.気温・湿度・暑さ指数(WBGT)を確認しましょう(←上記の熱中症予防情報サイトで確認できます)

2.熱中症リスクの高い方(高齢者、子ども、障害者の方々)に声かけをしましょう

3.外での運動や活動は中止/延期しましょう

4.「熱中症予防行動(次のパンフレット)」を普段以上に実践しましょう

 

とあります。

 

2)令和2年度の熱中症予防行動

 

 

小見出しのみ抜粋(一部改変)しますと

 

1.暑さを避けましょう

2.(屋外で人と十分な距離(2メートル以上)を確保できる場合は)適宜マスクを外しましょう

3.こまめに水分補給しましょう(1日あたり1.2リットルを目安に)

4.日頃から健康管理をしましょう

5.暑さに備えた身体づくりをしましょう

 

とあります。

 

如何でしょうか。

熱中症を予防するために大事なことが書いてありますので、是非参考にして下さいね。

 

 

さて前置きが長くなりましたが、今回のブログはここからが本題です。

 

熱中症警戒アラートが出ていたとしても仕事や用事、イベントなどで長時間外にいなくてはいけない場合や、室内にいるものの十分にエアコンが効かない環境にいなくてはいけないこともあると思います。

 

そんなとき自分の体調が悪くなったり、一緒にいる人の具合が悪くなった場合

 

「もしかして熱中症っぽいかも・・・」

 

と思ったとしましょう。

 

そのような場合

 

どんな対応をすればいいのか、どんな時に病院に行くとよいのか

 

について、下記のフローチャートをもとにお話ししますね。

 

環境省 熱中症予防情報サイト 熱中症の対処方法(応急処置)より抜粋)

 

内容は

 

①どんな症状が出てきたら熱中症を考えればいいですか?

②呼びかけに返事がありますか?

コラム① 体のどこを冷やすといいのでしょうか?

③水を自分で飲むことが出来ますか?

コラム② 経口補水液って何ですか?

④症状はよくなりましたか?

⑤まとめ

 

となります。

 

 

①どんな症状が出てきたら熱中症を考えればいいですか?

 

まず「どんな症状が出たら熱中症っぽいのか?」ですが、皆様は熱中症の症状についてどんなイメージをお持ちでしょうか?

 

「頭が痛くなりそう・・・(頭痛)」

「くらくらしそう・・・(めまい)」

「気持ち悪くなりそう・・・(吐き気、嘔吐)」

「立ってられなさそう・・・(虚脱感)」

「めちゃくちゃ汗をかいてそう・・・(大量の発汗)」

 

などいろいろ出てきそうですね。

 

フローチャートでは上に書いた症状以外にも

 

・失神・・・気を失う

・筋肉痛

・筋肉の硬直・・・筋肉が急に固まってしまう

・不快感・・・なんとなく具合がわるい

・倦怠感・・・体のだるさ

・意識障害・・・受け答えがおかしい、呼びかけに対する返事がおかしい

・けいれん・・・急に手や足がふるえる

・手足の運動障害・・・手や足が思うように動かせなくなる

・高体温・・・体温がとても高くなる

 

が書いてあります。

でもとてもじゃないけどこんなにたくさん覚えられないですし、覚えなくても大丈夫です。

 

急に具合が悪くなったり、具合が悪くなった人を見たら

 

「もしかして熱中症かも??」

 

と疑ってみることが始まりです。

 

 

②呼びかけに返事がありますか?

 

 

もし一緒にいた人が「なんか調子が悪い・・・」と言ったあと、突然座り込んでしまったとしましょう。

その際、

 

「〇〇さん、大丈夫?」

 

と声をかけると思います。その時点で何も返事がない場合や、返事がはっきりしない、おかしい場合などには

 

迷わず救急車

 

を呼んでください。

そして人手があるようであれば、木陰や室内など涼しい所に移動した上で体の左側を下にして横向きの状態にしてあげて下さい。

(胃が体の左側にあるため、左側を下にすることで胃の中のものを吐きにくくなるのですね)。

頭の下にはハンカチやタオルなどを引いてあげましょう。

 

そして救急車が来るまで身体を冷やす対応として

 

・衣類をゆるめる

・風をおくる(うちわ、下敷き、扇風機などを利用)

・保冷材や水に塗れたタオルなどで身体を冷やす(コラム①を参照してください)

 

などを取りましょう。

 

*返事がしっかりしており自力で何とか動ける場合でも、できるだけすみやかに木陰や室内など涼しい所に移動し、上記の身体を冷やす対応を取ってください。

 


 

コラム① 体のどこを冷やすといいのでしょうか?

 

身体を冷やすというと、おでこにピタッと貼るシートを思い浮かべる方もいるかもしれませんが・・・残念ながらこれは効果がありません。

ポイントは身体の

 

・首の両横

・両方のわきの下

・両方の太ももの付け根

 

の全部で6か所を冷やすことなんです。

 

実は首、わきの下、太ももの付け根には皮膚の近くに太い血管が通っているため、ここを冷やすのが体温を下げるのに最も効果的と言われています。

保冷剤や氷のうが手元にあればいいのですが、ない場合でも

 

・お店や自動販売機で買った、冷えたペットボトル

・かち割り氷(タオルやハンカチなどにくるんで利用)

・冷水で濡らしたタオル

 

などを使うのがおすすめです。

 

まわりに何か冷たいものはないかな?

 

と探してみて下さいね。

 


 

③水を自分で飲むことが出来ますか?

 

 

名前などを呼びかけ、返事があったとしましょう。

次に確認することは

 

自分で水が飲めるかどうか?

 

なんですね。

もし呼びかけに答えられた場合でも、自分で水が飲めなかったら

 

救急車

 

を呼んでください。

この場合は病院で点滴をしてもらうなど治療の必要があります。

また自分で飲めない場合には、無理に飲ませようとしないでください。

 

もし水が飲めそうであれば

 

①経口補水液(コラム②を参照してください)

②スポーツドリンク

③お水

 

を飲ませてあげてください。

できれば ①経口補水液>②スポーツドリンク>③お水 がよいです。

 

経口補水液は商品名でいうと、

 

OS-1(大塚製薬工場)

アクアソリタ(味の素株式会社)

 

が手に入りやすいと思います。

 

「え、スポーツドリンクじゃないの?」

 

と思った方もいると思いますが、熱中症の場合は経口補水液のほうがよいのですね。

 


 

コラム② 経口補水液って何ですか?

 

「そもそも経口補水液って何?」

 

という方もいると思います。

ごく簡単にざっくりいうと

 

「スポーツドリンクより塩分(ナトリウム)やカリウムが多く、糖分が少ない飲み物」

 

なんですね。

 

熱中症になる前には大体汗を多くかくことが多いのですが、この汗には水とともに塩分(ナトリウム)なども含まれているのですね。

(注:高齢者の方などは汗をうまくかけずに熱が体にこもってしまい、熱中症になることもありますのでご注意ください)

その汗で出ていった水分だけでなく塩分も一緒に補ってあげることが大事になるため、

 

スポーツドリンクより塩分(ナトリウム)が多い経口補水液

 

を飲むのがよいのです。

さらに経口補水液はスポーツドリンクより含まれている糖分が少なく調整されているのですが、このおかげで

 

スポーツドリンクよりも水や塩分(ナトリウム)などが早く体に吸収される

 

ことがわかっています(経口補水液OS-1 よくあるご質問Q & A スポーツドリンクとは何が違いますかも参照して下さい)。

 

つまり

 

経口補水液はスポーツドリンクよりも塩分(ナトリウム)が多く、かつ身体に早く吸収される飲み物

 

なので熱中症の場合にもっともよいのです。

 

あと

 

「常温のものと、冷えているもののどちらがよいか」

 

という質問もありそうですが、これは間違いなく

 

「冷えているもの」

 

がいいのです。

理由はコラム①にも書いたのですが、身体を冷やすことが大事だからなのですね。

外から冷やすのはもちろんのこと、冷たい飲みものをとることで身体の中からも熱をとっていくことができるのです。

 

もし熱中症の人が出て、すぐ近くの薬局やコンビニ、スーパーなどに買いに走った場合、店員さんに

 

「OS-1やアクアソリタはありますか?」

 

と聞くよりも

 

冷えた OS-1やアクアソリタはありますか?」

 

と聞きましょう。

もし製品名が思い出せなければ

 

「所ジョージさんがCMをしている飲み物で、冷えてるやつ ありますか?」

経口補水液OS-1 CMギャラリー参照)

 

でも伝わるかもしれません。

 

もしなければ

 

冷えたスポーツドリンク

 

を手に入れて飲ませてあげてくださいね。

 


 

 

④症状はよくなりましたか?

 

呼びかけにも応じ、水分も自分で飲めたとしましょう。

休んでいるうちに体調が戻ってきたら問題ないのですが、休んでいても症状が良くならない場合は

 

医療機関

 

を受診して下さい。

 

その場合の注意は3点あるのですが、

 

・事前に受診を考えている病院(できれば総合病院がよい)に電話連絡し、受診できるか確認する

・誰かが必ず付き添う

・車やタクシーを利用する、もしくは自力で動けない場合は救急車を呼ぶ

 

事を心がけて下さいね。

 

*どの病院を受診したらよいか分からない場合や迷った場合、東京都であれば

 

東京消防庁 #7119 救急相談センター

 

にご相談下さい。

こちらは

 

急な病気やケガをした場合に、「救急車を呼んだほうがいいのかな?」、「今すぐ病院に行ったほうがいいのかな?」など迷った際の相談窓口として、「東京消防庁救急相談センター」を開設しています。東京消防庁救急相談センターでは、これらの相談に相談医療チーム(医師、看護師、救急隊経験者等の職員)が、24時間年中無休で対応しています。

東京消防庁 #7119 救急相談センターより抜粋

 

とありますので、困った場合は是非ご活用下さい。

 

また東京都以外の道府県の連絡先は

 

全国の一般救急相談センター窓口一覧

 

にてご確認下さいね。

 

 

⑤まとめ

 

まず熱中症を疑い、あやしいなと思ったら

 

・呼びかけに返事があるか

・自分で水が飲めるか

・症状がよくなったか

 

を順に確認してください。

どれか1つでも当てはまらないものがあれば、その時点で救急車を呼ぶなど医療機関を受診する対応を取っていただけると幸いです。

 

 

いかがでしたでしょうか。

まだまだ暑い夏が続きそうですが、皆様のご参考になれば幸いです。

本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。

 

けい先生

 

**********

 

目黒みらい内科クリニック

 

糖尿病を中心とした生活習慣病(高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症など)呼吸器内科ならびに内科一般

 

の診療をしております。

 

また2020年4月1日より

 

オンライン診療

 

も開始致しました。

 

・糖尿病や生活習慣病が心配な方や、すでに治療を受けているものの転勤などに伴い通院先を探している方

・咳が止まらない方、息が苦しい方

・寝ているときのいびきが気になる方や、パートナーに息が止まっていると言われた方(睡眠時無呼吸症候群)

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