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糖尿病のお話⑪ 糖尿病性網膜症について

こんにちは。目黒駅東口より徒歩3分 目黒みらい内科クリニック 院長のけい先生です。

 

今日は朝から晴れ間が広がり気持ちのいい日ですね。日中は暑くなるそうですが、皆様水分をしっかり取るようにして下さい。

 

 

ブログの「糖尿病のお話⑩」で、糖尿病合併症には

 

「し(神経症)め(眼:網膜症)じ(腎症)」と「え(壊疽)の(脳梗塞、脳卒中)き(虚血性心疾患)」

 

がある、とお話しました。

 

今日はその中の

 

「め(眼:糖尿病性網膜症)」

 

についてのお話です。

 

 

糖尿病で通院されている方は、主治医の先生からこのように言われた経験があると思います。

 

糖尿病は眼に影響が出やすいので、眼科を受診して眼底検査を受けてください

 

けい先生も患者さんにはそのようにお話をしますし、最低でも1年に1回は眼科を受診してもらうようお願いしています。

 

何故このようにお話しするかというと、

 

糖尿病性網膜症は日本人の失明原因の上位

 

となっているからなんです。

 

ちなみに失明につながることのある他の主な病気は

 

・緑内障

・網膜色素変性症

 

などがあると言われています。

 

いままで当たり前に見えていた世界が急に見えなくなる・・・これによる生活への影響は計り知れません。

(けい先生の祖母は糖尿病もあり早くに亡くなってしまったのですが、糖尿病性網膜症で失明してしまい大変な思いをしていたとの話も聞いています)

 

 

とうころでなぜ糖尿病性「網膜症」というのでしょうか?

 

これは眼の奥に「眼底」と呼ばれる場所があり、ここには血管(動脈、静脈)や網膜、視神経などがあります。

下記の図1「眼底の全体像」をご覧ください(日本眼科学会のホームページより引用)。

検査をすると大体このように見えてきます(血管はわかりやすいよう色分けされています)。

 

 

眼底のうち、糖尿病の影響は網膜にでてくるため「糖尿病性網膜症」の名称がついているのです。

 

以下は日本眼科学会のホームページから引用(一部改変)したものです。

 

 

網膜は眼底にある薄い神経の膜で、ものを見るために大切な役割をしています。

網膜には光や色を感じる神経細胞がしきつめられ、無数の細かい血管が張り巡らされています。

血糖が高い状態が長く続くと、網膜の細い血管は少しずつ損傷を受け、変形したり、つまったりします。

血管がつまると網膜のすみずみまで酸素が行き渡らず網膜が酸欠状態に陥ります。

その結果として新しい血管(新生血管)を生やして酸素不足を補おうとしますが、新生血管はもろいため簡単に出血を起こします。

また出血すると網膜にかさぶたのような膜(増殖組織)が張ってきて、これが原因で網膜剥離を起こすことがあります。

糖尿病網膜症は、糖尿病になってから数年から10年以上経過して発症するといわれていますが、

かなり進行するまで症状がない場合もあり、まだ見えるから大丈夫という自己判断は危険です。

糖尿病の人は目の症状がなくても定期的に眼科を受診し、眼底検査を受けるようにしましょう。

 

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

とくに

 

「まだ見えるから大丈夫、という自己判断は危険です」

 

という部分を強調しておきます。

 

定期的に眼科を受診し、糖尿病性網膜症が出てきても早いうちに治療をしてもらえればよいのですが、長年眼科を受診しないでいるとある日突然見えなくなる・・・といったことも起こります。「いきなり舞台のカーテンが下りてくるような感じで見えなくなった」とおっしゃった方もいらっしゃいました。

 

そうならないために、血糖値ならびにHbA1cを良い状態に保つことと合わせ、眼科にも続けて受診することが大切なのです。

 

目黒みらい内科クリニックに通院される方には近くの眼科クリニックや、必要に応じて総合病院の眼科をご紹介します。

また眼科への通院が継続できているか、一緒に確認していきます。

 

 

そしてこの様な質問をされる方もいらっしゃいます。

 

「人間ドック(健康診断)で眼底検査をするのではだめでしょうか?」

 

もちろん人間ドックや健康診断の眼底検査は緑内障や動脈硬化などをはじめとした病気を確認するのに大切な検査なのですが、糖尿病性網膜症については残念ながら大丈夫、とは言いきれないのです。

 

じつは人間ドックや健康診断で行われる眼底検査では、眼底の一部分しか見ることが出来ません。

そして糖尿病性網膜症は、人間ドックや健康診断で確認できない部分から糖尿病の影響が出てくることが多いので、眼底の全体を見る必要があるのです。

 

眼底の全体を見るためには検査の前に黒目(瞳孔)を開く目薬を差して検査をする必要があるのですが、眼科の先生にお願いしないとできないことなのですね。

ただ家や職場の近くに眼科の先生がいなかったり、時間がなくて受診ができないという方もいらっしゃると思いますので、その様な時はまず人間ドックや健康診断などで検査を受けることをお勧めします。そして異常がある、と言われた場合には必ず眼科を受診するようにして下さいね。

 

 

最後に眼科で眼底検査を受けられる時の注意がありますので参考になれば幸いです

 

①検査結果(血糖値、HbA1c)を必ず持参してください。

②検査の時に使用する目薬の影響でとてもまぶしく、いつもより見えにくくなります。

そのため検査終了後、4時間から5時間程度車の運転、自転車の運転など出来なくなりますのでご注意下さい。

お仕事で車を運転される方やパソコン、タブレット作業をされる方はお休みの日の受診をお勧めします。

③晴れた日にはサングラスや日傘、つばのある帽子などを持参されるとまぶしさが軽く、楽になります。

 

 

本日も最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。

 

けい先生