糖尿病のお話⑦ 2型糖尿病 インスリン分泌の低下とは何ですか?
こんにちは。目黒駅東口より徒歩3分 目黒みらい内科クリニック 院長のけい先生です。
今回は「2型糖尿病」の「インスリン分泌の低下」についてお話しますね。
2型糖尿病とは
・インスリン分泌の低下やインスリン抵抗性をきたす体質(遺伝)や高カロリー食、高脂肪食、運動不足、ストレス、加齢などが原因
で起きてくると考えられている糖尿病と言われています。
糖尿病の患者さんのうち、約9割の人がこの「2型糖尿病」なんですね。
健康診断や人間ドック、病院で採血した時に「あなたは糖尿病ですね」と言われら、ほとんどがこの「2型糖尿病」です。
ただ先ほども出てきましたが、
「検査で確認したらインスリン分泌の低下が見られて・・・」
「糖尿病にはインスリンというホルモンが大事で、あなたの場合肥満があるからインスリン抵抗性もあって・・・」
などと専門用語を使った説明に入り、とたんに分からなくなった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回はこの「インスリン分泌の低下」「インスリン抵抗性」のうち
「インスリン分泌の低下」
についてお話します。
少し話がそれますが、医学用語は
・普段の生活では使わない言葉が多い
・なんとなく難しい
・漢字やカタカナの組み合わせが多い、病気の名前が長い
などの理由でわかりにくく、とっつきにくくなっている印象を受けます。
また簡単なことも医学的にいうと急に難しく、堅苦しくなりますね。
例えば
「昨日からのどが痛くて鼻水が出て、鼻づまりもあるしそのせいか頭も重くてだるいんです」
が、医学的に言うと
「昨日より咽頭痛、鼻汁、鼻閉、頭重感、倦怠感出現」
となるわけです。見ただけでとても堅苦しいですね・・・。
ブログでは今まで天気や宅急便のお話を出していますが、普段の生活や馴染みのあることと結び付けてお話しすることで、少しでも分かりやすく伝わればと考えています。
ここから本題に戻りますね。
前回のブログでは宅急便を用いてインスリンのお話をしましたが、そのまま宅急便の例でお話を続けます。
①「インスリン分泌の低下」
膵臓(=会社)からインスリン(=運転手さん)が出てくるお話をしましたが、このことを私たちは
インスリン分泌
といいます。
つまり
「膵臓」が「インスリン」を出してくれること
なんですね。
宅急便の場合、荷物が増えたら会社が求人をかけて運転手さんを増やして対応してくれるのですが、糖尿病の場合も同じです。
まず血糖値(=荷物)が上がったら、膵臓(=会社)がインスリン(=運転手さん)を出す量を増やすわけですね。
普段でも食事や飲み物をとると血糖値が上がるので、それに応じて膵臓が出すインスリン量が増えた結果血糖値がもとの状態に戻るのですが、
血糖値がいつもより上がりすぎてしまうと、今までよりもインスリンを出す量が増え、それでも血糖値が高い状態が続くとまたインスリンを出す量が増え・・・となるわけです。
この
膵臓がインスリンを出しすぎる状態=インスリンの過剰分泌
といいます。
宅急便の場合も荷物がいきなり1日で1千万個増えました!、というよりはじわじわと増えてきています。
それに対し少しずつ運転手さんを増やしたりして対応し、また荷物が増えたら対応し・・・となってきたと思います。
そしてついに会社としての対応力を超えてしまうとニュース等で大きく報道されるわけですね。
この
ニュース等で大きく報道された状態=糖尿病と言われた(診断された)タイミング
と考えてみてください。それはそれは患者さんに大きなインパクトがあるわけです。
宅急便の場合、運転手さんを集めようとしても集まりにくいと言われていますが、外国の方を雇用したり、給料や働き方の工夫等でまだ伸びる余地がありそうです。
ただ人間の場合、膵臓(=会社)が出せるインスリン(=運転手さん)の量は無限ではなく限りがあると言われています。
血糖値の高い状態が続いてもしばらくは膵臓が頑張ってインスリンを出し続けるのですが、次第に疲れてきて(膵臓が)出してくれるインスリンの量が徐々に減るのです。
この状態を
インスリン分泌の低下
いうわけです。
いきなり膵臓が出せるインスリンの量が減るのではなく、血糖値が上がったことに対しまず膵臓が頑張ってインスリンをたくさん出して(インスリンの過剰分泌)くれる。
その状態が長く続くと、次第に膵臓が出せるインスリンの量が減る(インスリン分泌の低下)のですね。
このインスリン分泌の低下した状態を見たら
膵臓が疲れてしまい、頑張れなくなってきたんだな
と捉え、膵臓をねぎらってあげたいですね。
いかがでしたか?
ちなみに余談ですが、平成29年の宅急便取扱個数は
42億5千百万個!!!
だそうです。数字が大きすぎて想像しにくいですね。
1日にすると
約1千165万個
荷物を運んでくれているとは驚きです。
興味のある方は国土交通省の資料(こちら)もご覧くださいね。
本日も最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。
けい先生
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