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糖尿病のお話⑥ インスリンと糖尿病の関係

こんにちは。目黒駅東口より徒歩3分 目黒みらい内科クリニック 院長のけい先生です。

GWも終わり、徐々に普段の生活に戻ってきました。

皆様はどのようなお休みを過ごされましたか?

 

さて気を取り直し、本日は「インスリン」についてのお話です。

 

前回のブログでも書きましたが、血糖値を下げることのできる唯一のホルモン、それが「インスリン」でしたね。

 

このインスリンですが、なんと今から約100年前の1921年にカナダのフレデリック・グラント・バンディングという先生と医学生のチャールズ・ハーバード・ベストが発見したものです。

そして患者さんに初めて薬として使われたのが1年後の1922年。

それまでは糖尿病と言われたら治療がないためどんどん悪くなるばかり。

特に若い人で糖尿病と言われた人の余命が1年(!)足らずしかなかったものが、インスリンのおかげで寿命が大幅に伸びたそうです。

それだけインスリンは糖尿病の治療になくてはならない大切なものなのですね。

ちなみに話が少しそれますが、1921年の日本は大正10年。

同年5月にはシャネル初の香水「CHANEL No.5」が発売。歴史の重みを感じますね。

 

この「インスリン」ですが、「膵臓」という臓器から出てきます。

(最近では2017年に実写版の映画が、2018年に長編映画アニメ映画で上映された「君の膵臓を食べたい」で「膵臓」という名前を聞いた方、思い出した方もいらっしゃるかもしれません。)

 

「膵臓」は身体の前から見るとみぞおちの下、胃の後ろにある臓器で主に食べ物の消化吸収、血糖値の調節などを担っています。

 

通常は

 

・食事や飲み物をとって血糖値が上がる→膵臓からでるインスリンの量が増える

・その結果血糖値が下がる→膵臓から出るインスリンの量が減る

 

この動きを繰り返しながら、血糖値が決まった範囲で落ち着いるのです。

この時の血糖値の動きはある程度なだらかな坂を上り、そのあとゆっくり降りてくるイメージですね。

 

ところが、いろいろな理由で血糖値が下がらず上がったままになる場合があります。

その原因の多くは

 

①インスリンは普段よりも出ているけど、効きが悪い

②インスリンがほとんど出ない

 

であると言われています。

 

これを前回のブログでお話しした宅急便のイメージで考えてみましょう。

 

その前に宅急便と言えば、ここ数年EC(electronic commerce=電子商取引:アマゾン、楽天、アスクルやメルカリなどといったインターネットを介した商品売買)が増え問題が出てきていますね。

私も便利であり大変お世話になっていますが、商品売買が増えれば当然運んでもらう商品が増えます。すると運転手さんは忙しくなるし身体も大変になります。

宅急便会社も運転手さんを増やし、トラックを増やすなど輸送力を増強して対応してくれてはいるものの、人手不足などもあり追い付かないようです。

その影響か引っ越しシーズンになると「引っ越し難民」などという言葉も出てきましたね。

 

最近は

 

・運転手さんの賃上げ

・輸送費の値上げ

・配達時間の見直し

・再配達を減らす工夫(受け取り場所を増やす、宅配ボックスの設置)

 

などの対応がなされていますが、この便利でありがたい状況が続いてほしいと願うばかりです。

 

さてここからが本題です。

 

・糖=宅急便の荷物

・血液=宅急便のトラック

・血管=道路

インスリン=宅急便の運転手

膵臓=会社

・体の臓器=自宅やお店など

 

としてみますね。

新たに「膵臓」も加えてみました。

 

これを身体に置き換えて考えてみましょう。この場合、トラック(=血液)と道路(=血管)は変わらないものとしますね。

 

血糖値(糖)が高くなる(=荷物が増える)と、膵臓から出すインスリン(=運転手)を増やして対応してくれています。

ところがそれでも血糖値が高い状態(=荷物が増える)が続くと、さらにインスリン(=運転手)を出す必要がある訳です。

それで落ち着いてくれればいいのですが血糖値が高い状態が長く続いたり(=荷物が運びきれずだぶつく)、糖を必要とする臓器(=自宅やお店など)にうまく糖(=荷物)を渡せない場合もあります。

そのような状態が続くと次第に膵臓(=会社)も疲れてしまい、インスリン(=運転手)を出したくてもインスリンを出せなくなってしまうこともあるのです。

 

→このような状態を「2型糖尿病」といいます。

 

またこれは今の日本ではないと思うのですが、運転手さん達が突然ストライキを起こして働いてくれなくなったら大変なことになりますね。

ところが人間の身体では突然膵臓からインスリン(=運転手)がほとんどでなくなってしまう事があるのです。

 

→このような状態を「1型糖尿病」といいます。

 

糖尿病と言われた方で、ご自身がどちらかわからない場合は主治医の先生に確認されるといいですね。

宅急便のお話を通して、なんとなくでも「わかった!」と思っていただけると嬉しいです。

 

今日は長くなってしまいましたのでこの辺で。

 

次回は2型糖尿病についてお話しする予定です。

 

本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。

 

けい先生

 

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目黒みらい内科クリニック

 

糖尿病を中心とした生活習慣病(高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症など)呼吸器内科ならびに内科一般

 

の診療をしております。

 

・糖尿病や生活習慣病が心配な方や、すでに治療を受けているものの転勤などに伴い通院先を探している方

・咳が止まらない方、息が苦しい方

・寝ているときのいびきが気になる方や、パートナーに息が止まっていると言われた方(睡眠時無呼吸症候群)

・健康診断で再検査と言われた方(貧血、肝機能検査を含めた血液検査、尿検査、胸部レントゲン、呼吸機能検査など)

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