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夜や明け方の咳が続いて気になる方へ|気管支喘息・咳喘息の検査と治療

最終更新日:2026年9月2日

 

こんにちは。目黒駅東口より徒歩3分、白金台駅より徒歩9分、医療法人社団FU-WA 目黒みらい内科クリニック院長のけい先生です。

本日は、長引く咳と気管支喘息についてお話ししていきます。

 

「風邪をひいたあとだから、そのうち咳も治るだろう」

 

そう思っていたのに、1週間、2週間と咳が続いている。

夜になると咳が出て眠れない。朝方になると咳で目が覚める。でも昼間は比較的大丈夫なので、そのまま様子をみている。

このような方は意外と多くいらっしゃいます。

また、

 

「ヒューヒュー、ゼーゼーしていないから気管支喘息ではないですよね?」

 

とおっしゃる患者さんも少なくありません。

でも実は気管支喘息や咳喘息では、必ずしもヒューヒュー、ゼーゼーするとは限りません。

咳だけが続く場合でも、気管支喘息や咳喘息が原因になっていることがあるのですね。

そして咳が1週間続いているからといって、気管支喘息がある、というわけでもないのです。

ただ、

 

「いつもの風邪より咳が長いな・・・」

「夜になると咳がひどくなってつらいな・・・」

「風邪をひくたびに咳だけ長引くな・・・」

 

という場合には、なぜその症状が起きているのかを確認するため、医療機関を受診することをお勧めいたします。

今日は、

 

① どんな咳なら気管支喘息を考えるの?

② 気管支喘息ではどんな診察・検査をするの?

③ なぜ気管支喘息に「咳止め」だけでは足りないの?

④ 咳が止まったのに、なぜ吸入を続けるの?

⑤ 気管支喘息治療の目標は?

 

について順番にお話ししますね。

 

*******************************************

【お時間のない方へ|この記事の要点】

 

この記事は少し長くなっていますので、お時間のない方、まず要点だけ知りたい方はこの章だけお読みいただければと思います。

気になったところは後ほどそれぞれの章で詳しくお話ししていますので、そちらをお読みください。

 

① 咳の「長さ」だけでなく、「いつ」咳が出るのかも大切です

夜中や明け方に咳で目が覚める、会話や運動、冷たい空気で咳が出る、毎年同じ季節に長い咳を繰り返す。

このような咳の出方では、気管支喘息や咳喘息も原因として考えます。

また、ヒューヒュー、ゼーゼーしなくても気管支喘息のことがあります。

 

② 検査だけではなく、これまでの経過も合わせて診断します

診察では胸の音を確認し、検査では酸素飽和度、胸部レントゲン、呼吸機能検査、血液検査などを必要に応じて組み合わせて行います。

ただし、気管支喘息は症状に波があるため、検査が正常でもその1回だけで否定できるわけではありません。

そのため検査結果だけではなく、これまでどのような症状を繰り返してきたのかも合わせて診断します。

 

③ 気管支喘息の治療は、吸入ステロイドを含む吸入薬を使うのが基本です

気管支喘息では、気管支に炎症が続いています。

その炎症を抑えるために、吸入ステロイドを含む吸入薬を使うのが治療の基本です。

一方、苦しい時に気管支を広げてくれる吸入薬も大切な薬ですが、気管支を広げる吸入薬だけで長く治療を続けることは勧められません。

 

④ 咳が止まってからも、しばらく治療を続けます

症状がなくなった=炎症が完全におさまった、とは限りません。

「調子が良くなったから」と自己判断で通院や薬の使用をやめず、主治医と相談しながら治療を続けていくことが大切です。

 

⑤ 治療の目標は、呼吸を気にせずいつも通りの生活を送れることです

夜ぐっすり眠れる、会議で話をしても咳が出ない、運動も楽しめる。

そうした状態を目指していきます。

 

⑥ 咳が1週間以上続く時は、我慢せずご相談ください

咳は思っている以上に身体へ負担がかかります。

また、息苦しくて会話が続けられない、横になれない、唇が青紫色に見えるといった場合には、通常の外来を待たず、救急受診や119番への連絡をお考えください。

 

要点は以上となります。

ここからは、それぞれについて詳しくお話ししていきますね。

*******************************************

 

① どんな咳なら気管支喘息を考えるの?

 

外来でよくお会いするのが、

 

「風邪のあとだから、いつか治るだろう」

 

と思って、何週間も咳を我慢していた方です。

気管支喘息では、咳の「長さ」だけではなく、いつ、どんな時に咳が出るのかがとても大切です。

たとえば、

 

寝る前になると咳が出る

夜中や明け方に咳で目が覚める

朝起きた時に咳が出る

会話をすると咳が止まらなくなる

冷たい風や乾燥、エアコンの風で咳が出る

暖かい場所から寒い場所へ移動すると咳が出る

運動すると咳や息苦しさが出る

毎年同じ季節になると長い咳が出る

風邪をひくたびに咳だけ長引く

 

といった症状がないかを確認します。

診察でも単に、「咳がありますか?」だけではなく、

 

「咳はいつ出やすいですか?」

「寝る前ですか?寝ている間ですか?朝方ですか?」

「会話や運動、冷たい空気などで咳が出ませんか?」

 

とかなり細かくお伺いします。

また、

 

「今回のような咳は初めてですか?」

 

という質問も大切にしています。

気管支喘息や咳喘息の方では、一度だけではなく、過去にも似たような咳を繰り返していることがあるからです。

花粉症、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎があるか、子どものころに気管支喘息と言われたことがないか、ご家族に気管支喘息の方がいないかも確認します。

普通のタバコだけでなく電子タバコを含めた喫煙歴、ペット、自宅や職場の環境について確認することもあります。

気管支喘息の診断では、「今どんな症状があるか」だけではなく、「これまでどんな症状を繰り返してきたのか」もとても大切なのですね。

また、症状の感じ方には個人差があります。

実際には気管支が狭くなっていても、息苦しさをあまり強く感じない方もいらっしゃいます。

そのため、「苦しくないから大丈夫」とは必ずしも言えないのですね。

 

気管支喘息と咳喘息は何が違うの?

 

ここまで「気管支喘息」と「咳喘息」という2つの言葉が出てきました。

「この2つは何が違うのですか?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんので、ここで少しお話ししますね。

気管支喘息も咳喘息も、空気の通り道である気管支に炎症が起こり、ちょっとした刺激にも敏感になっているという共通点があります。

大きな違いは、出てくる症状です。

 

気管支喘息 咳喘息
主な症状 咳、息苦しさ、胸の苦しさなど 咳が中心
ヒューヒュー・ゼーゼー 出ることがあります 多くの場合は目立ちません
息苦しさ 出ることがあります 多くの場合は目立ちません
咳が出やすい時 夜間・明け方、運動時、冷たい空気に触れた時、風邪の後など 夜間・明け方、会話中、運動時、冷たい空気に触れた時、風邪の後など
治療 吸入ステロイドを含む吸入薬を中心に治療します 咳を抑えつつ、吸入ステロイドを用いた気管支の炎症を抑える治療を行います

 

ここで「気管支の炎症」や「吸入ステロイド」という言葉が出てきましたが、これについては後ほど治療のところで詳しくお話ししますね。

気管支喘息では、気管支が狭くなることで、空気が通る時に「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という音が聞こえることがあります。

また、いつもなら何ともない階段や運動で息苦しくなったり、胸が苦しく感じたりすることもあります。

一方、咳喘息ではヒューヒュー・ゼーゼーという音や強い息苦しさは目立たず、乾いた咳が中心となることがあります。

特に夜や明け方、会話をしている時、運動した時、冷たい空気に触れた時、風邪をひいた後などに咳が出やすいのが特徴です。

ただし、「ヒューヒュー、ゼーゼーしないから気管支喘息ではない」とは限りません。

反対に、「咳だけが続いているから咳喘息だ」とも限らないのですね。

長引く咳の原因には、風邪をひいた後の咳、鼻水がのどに流れ込むこと、胃酸の逆流、お薬の副作用、肺の病気など、気管支喘息や咳喘息以外にもさまざまなものがあります。

そのため咳が長引いている時には、咳の症状だけで判断するのではなく、どのような時に咳が出るのか、これまで同じような咳を繰り返していないか、ヒューヒュー・ゼーゼーや息苦しさはないか、アレルギー体質や気管支喘息の既往がないかなどを確認したうえで、診察や必要な検査を組み合わせながら原因を考えていきます。

では実際に、気管支喘息が疑われる場合にはどのような診察や検査を行うのでしょうか。

次にお話ししますね。

 

② 気管支喘息ではどんな診察・検査をするの?

 

気管支喘息が疑われる場合、症状やこれまでの経過を確認したうえで、必要に応じていくつかの診察・検査を組み合わせて行います。

 

胸の音を確認します

 

まず診察では胸の音を聴きます。

気管支喘息では、空気の通り道である気管支に炎症が続き、人によっては気管支が狭くなることで、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった音が聞こえることがあります。

ただし、気管支喘息だからといって、必ずご自身でヒューヒュー、ゼーゼーと感じるわけでも、診察の際にこの音が聞こえるわけでもありません。

症状が落ち着いている時には、胸の音が正常なこともあります。

 

酸素飽和度(SpO2)を測ります

 

次に酸素飽和度(SpO2)を測ります。

気管支喘息の発作が強い場合には、気管支が狭くなり、空気をしっかり吸うことができず血液中の酸素が低下することがあります。

一方で、軽い気管支喘息や症状が落ち着いている時にはSpO2が正常なことも多いため、「酸素の値が正常だから気管支喘息ではない」とは言い切れません。

 

胸部レントゲン検査

 

必要に応じて胸部レントゲン検査も行います。

ここで大事なのは、胸部レントゲンは気管支喘息そのものを診断する検査ではないということです。

肺炎、結核、肺の腫瘍、心不全など、咳の原因となる他の病気を疑う変化や異常がないかを確認するために行います。

 

呼吸機能検査

 

また当院では呼吸機能検査を行うことがあります。

これは肺から空気をどのくらい速く、どのくらいたくさん吐き出せるかを調べ、空気の通り道である気道が狭くなっていないかを評価する検査です。

 

血液検査

 

必要に応じて血液検査も行います。

ハウスダスト、ダニ、ネコ、イヌ、カビなどに対するアレルギー反応の手がかりを調べたり、アレルギー体質の参考になる総IgEや、気管支の炎症に関係する好酸球の数を確認したりします。

 

検査が正常でも、気管支喘息を否定できないことがあります

 

ただし検査が正常だからといって、その1回だけで気管支喘息を完全に否定できるわけではありません。

気管支喘息は症状に波があるため、症状が落ち着いている時には検査をしても異常が見られない場合があります。

その場合には症状がある時期にもう一度評価したり、気管支喘息以外の病気も考えながら判断したりします。

そして症状だけではなく呼吸機能検査などの検査結果も参考にしながら、症状が落ち着き、将来の発作が出てくるのを防ぐことを目指します。

 

③ なぜ気管支喘息に「咳止め」だけでは足りないの?

 

気管支喘息や咳喘息では、気管支が長く荒れた状態が続いています。

医学的にはこれを「慢性炎症」と呼びます。

荒れた気管支はとても敏感なため、ちょっとした刺激でも咳が出たり、ヒューヒュー、ゼーゼーしたりします。

また咳がひどい時には、咳止めが必要になることもあります。ただし、気管支喘息が原因の咳では、咳止めだけでは気管支の炎症そのものを十分に抑えることができません。

そのため咳止めを飲んでもなかなか改善しない場合には、

 

「そもそも気管支に炎症が続いているのではないか?」

 

と考える必要があります。

そこで気管支喘息治療の中心になるのが、吸入ステロイドを含む吸入薬です。

吸入薬は薬を吸い込むことで、気管支へ薬を直接届けやすくなる特徴があります。

また吸入ステロイドと気管支を広げる薬を組み合わせた吸入薬も何種類もありますが、その方の症状や状態に合わせて最も良い吸入薬を選択していきます。

一方、サルタノールやメプチンなど、苦しい時に一時的に症状を和らげるために使う、気管支を広げるタイプの吸入薬もあります。

これらは狭くなった気管支を一時的に広げ、苦しさを改善してくれる大切な薬です。

ただし、気管支の炎症そのものを治す薬ではありません。

発作時に必要な大切な薬ですので、処方されている方が自己判断でやめる必要はありませんが、気管支を広げる吸入薬だけで長く治療を続けることは勧められません。

サルタノールやメプチンを使用する回数が増えてきた場合や、サルタノールやメプチンだけで治療していて症状を繰り返してしまう場合には、気管支の炎症を抑える治療が必要かどうかを主治医に相談することが大切です。

 

④ 咳が止まったのに、なぜ吸入を続けるの?

 

「咳は止まったので、もう薬をやめてもいいですか?」

 

これは外来でとてもよく聞かれる質問です。

そのお気持ちはよくわかります。

ただ、気管支喘息の場合は、症状がなくなった=気管支の炎症が完全におさまったとは限りません。

私は患者さんに説明するとき、よく「炭」をイメージしていただきます。

炭は、表面の火が消えているように見えても、中にはまだ熱が残っていますよね。

そこに風が吹けば、またすぐに火がつくことがあります。

気管支喘息も、それと似ています。

咳が止まって症状は良くなったように思えても、気管支の奥にはまだ炎症が残っていることがあるのです。

そこに風邪をひいた、急に寒くなった、花粉が飛んできたなどの刺激が加わると、また咳や息苦しさが出てしまうことがあるのですね。

だからこそ、症状がなくなってからもしばらく治療を続け、気管支の炎症をしっかりおさめることが大切なのですね。

そして治療期間は患者さんによって違います。

数か月で症状が落ち着く方もいれば、年単位の治療が必要になる方もいらっしゃいます。

そして症状や検査結果が安定してきた場合でも、薬をすぐにやめるのではなく、徐々に減らしながら症状がまた出てこないか、検査結果が悪化しないかを確認していきます。

大切なのは、「調子が良くなったから」と自己判断で通院や薬の使用をやめてしまうことなく、治療を継続しながら、主治医と相談して調整していくことです。

また「ステロイド」と聞くと、副作用が心配になる方もいらっしゃるかと思います。

吸入ステロイドは気管支へ薬を直接届けることで、お薬の全身への影響を抑えながらも治療効果を得ることを目的としたお薬です。

また、内服で使うステロイドと比べて少ない量でも気管支へ直接作用させることができ、十分な治療効果が期待できます。

もちろん副作用が全くない薬ではなく、声がかすれたり、口の中にカンジダというカビが増えたりすることがあります。

そのため正しい方法で吸入するだけでなく、吸入後にしっかりとうがいや口すすぎをすることが大切になります。

副作用が心配だからと自己判断で薬をやめるのではなく、気になることがあれば遠慮なくご相談ください。

 

⑤ 気管支喘息治療の目標は?

 

気管支喘息をお持ちの方を診察・治療する際に私が大切にしていることは、

 

普段の生活で呼吸のことを気にせず、いつも通りの生活を送れるようになってもらうこと

 

です。

 

夜ぐっすり眠れる

仕事中に咳を気にしなくてよい

会議で話をしても咳が出ない

階段を上っても息苦しくない

運動も楽しめる

 

そうした状態を目指していきます。

さらに、風邪をひいた時にも以前より咳や息苦しさが起こりにくく、起きたとしても軽く済む。

そして苦しい時に使う吸入薬を、ほとんど必要とせず生活できる。

このような状態を目指して治療していきます。

 

こんな時は我慢せず受診してください

 

当院では、次のような症状がある場合には一度ご相談いただくことをおすすめしています。

 

・咳が1週間以上続いている

・咳で夜眠れなくなった

・会話や会議で話をすると咳が止まらなくなる

・夜中や明け方に咳で目が覚める

・ヒューヒュー、ゼーゼーする

・普段なら問題ない階段や運動で何となく息苦しい

・毎年同じ季節に長い咳を繰り返す

・風邪をひくたびに咳だけ長引く

・市販薬や咳止めを飲んでも良くならない

 

なお、「1週間」は気管支喘息の診断基準ではありません。

ただ、「いつもの風邪と違って長いな」「なかなか良くならないな」と感じた時に、「もう少し我慢しなければ」と考える必要はありません。

咳は、思っている以上に身体へ負担がかかります。

激しい咳が長く続くことで、まれに肋骨、つまり「あばら骨」を痛めたり、骨折したりすることもあります。

そして咳をしている本人がつらいだけではありません。

電車や会社、会議などで咳が続くと、

 

「周りの人からどう見られているだろう」

 

と視線が気になってしまう方も多いと思います。

咳を我慢する必要はありません。

 

「なんだか今回の咳は長いな」

「いつもの風邪と違うな」

「咳がつらいな」

 

と感じたら、遠慮なくご相談ください。

また、咳に発熱を伴う場合、特に高い熱が続く、息苦しさがある、胸が痛い、血の混じった痰が出る、強いだるさがある場合には、早めに医療機関を受診してください。平らな道を歩いているだけでも普段より息が切れる場合も、早めの受診をおすすめします。

 

このような時は救急受診を考えてください

 

気管支喘息の発作は、短時間で急速に悪化することがあります。

 

息苦しくて会話が続けられない

座っていても苦しい、横になれない

顔色が明らかに悪い、唇が青紫色に見える

ぼんやりする、反応がおかしい

発作時の吸入薬を使っても改善しない

息苦しさが短時間で急に強くなった

 

このような場合には、通常の外来を待たず、救急受診や119番への連絡をお考えください。

 

Q&A|気管支喘息・咳喘息についてよくあるご質問

Q1.ヒューヒュー、ゼーゼーしなくても気管支喘息のことはありますか?

 

はい。あります。

気管支喘息というと、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という音が出るイメージをお持ちの方も多いと思います。

ただ、気管支喘息だからといって必ずこのような音が出るわけではありません。

夜や明け方に咳が出る、風邪をひくたびに咳が長引く、運動や冷たい空気で咳が出るなどの症状だけが目立つこともあります。

「ヒューヒュー、ゼーゼーしていないから大丈夫」とは限らないのですね。

 

Q2.咳だけが続いていたら、咳喘息なのでしょうか?

 

いいえ。咳だけが続いているからといって、必ず咳喘息というわけではありません。

長引く咳の原因には、気管支喘息や咳喘息だけでなく、風邪をひいた後の咳、鼻水がのどに流れ込むこと、胃酸の逆流、お薬の副作用、肺の病気など、さまざまなものがあります。

そのため、「咳が続いているから咳喘息だろう」と症状だけで判断するのではなく、いつ咳が出るのか、同じような症状を繰り返していないかなどを確認し、診察や必要な検査を組み合わせながら原因を考えていくことが大切です。

 

Q3.咳が良くなったら、吸入薬をやめてもいいですか?

 

自己判断ですぐにやめることはおすすめしません。

本文でもお話ししたように、私は気管支喘息の治療を説明する時に「炭」をイメージしていただくことがあります。

炭は表面の火が消えているように見えても、中にはまだ熱が残っています。

気管支喘息も同じように、咳などの症状が良くなっていても、気管支の奥にはまだ炎症が残っていることがあるのです。

そのため症状や検査結果を確認しながら、薬をすぐにやめるのではなく、必要に応じて徐々に減らしていきます。

「調子が良くなったから」と自己判断で通院や薬の使用をやめず、主治医と相談しながら治療を続けていきましょう。

 

Q4.吸入ステロイドの副作用が心配です。使っても大丈夫ですか?

 

「ステロイド」と聞くと、副作用が心配になるお気持ちはよくわかります。

吸入ステロイドは、薬を気管支へ直接届けることで、お薬の全身への影響を抑えながら治療効果を得ることを目的としたお薬です。

また、内服で使うステロイドと比べて少ない量でも気管支へ直接作用させることができ、十分な治療効果が期待できます。

もちろん副作用が全くないわけではなく、声がかすれたり、口の中にカンジダというカビが増えたりすることがあります。

そのため、正しい方法で吸入することに加えて、吸入後にしっかりとうがいや口すすぎをすることが大切です。

心配なことがあれば、自己判断で薬をやめずに遠慮なくご相談ください。

 

Q5.咳はどのくらい続いたら受診した方がいいですか?

 

「何日続いたら必ず受診」という決まりがあるわけではありません。

当院では、一つの目安として咳が1週間以上続いている場合には、一度ご相談いただくことをおすすめしています。

ただし、「1週間」は気管支喘息の診断基準ではありません。

また、咳で夜眠れない、夜中や明け方に咳で目が覚める、会話をすると咳が止まらない、ヒューヒュー・ゼーゼーする、普段なら問題ない階段や運動で息苦しい、風邪をひくたびに咳が長引く、といった症状がある場合には、1週間を待つ必要はありません。

「いつもの風邪と違うな」「今回の咳はつらいな」と思った時には、我慢せず医療機関へご相談ください。

 

まとめ|「たかが咳」と思っている方へ

 

「たかが咳」と思っていた症状に、気管支喘息など治療できる病気が隠れていることがあります。

原因を確認して、その方に合った治療を行うことで、

 

咳や呼吸を気にせず、いつもの生活を送れること

 

を一緒に目指していきましょう。

長引く咳が気になる方は、まず一度、目黒みらい内科クリニックへご相談ください。

ご予約は当院ホームページのWeb予約から承っております。

 

皆様のお役に立てますと幸いです。

 

医療法人社団FU-WA 目黒みらい内科クリニック
院長 けい先生