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COVID-19感染症が心配な方へ ~どんな時に、どこに電話相談するとよいですか?~

こんにちは。目黒駅東口より徒歩3分、白金台駅より徒歩9分 目黒みらい内科クリニックのけい先生です。

 

COVID-19(新型コロナウイルス)感染症の増加が止まりません。

2020年4月11日に東京都では新たに197人の方々の感染、全国では新たに743人の方々の感染がわかり、1日の発表数では最多となりました。

 

11日の感染確認743人 1日の発表数で最多 新型コロナウイルス

 

この状況で熱が出たり、咳や痰を含めた風邪のような症状があると

 

新型コロナウイルス(感染症)にかかったのではないか・・・

 

と心配になるのも無理はありませんし、そのように考える方のご相談が増えている実感があります。

 

ただ病院やクリニックを受診するとしても

 

・人からもらってしまうのではないか・・・

・自分がそうだった場合、他の人にうつしてしまうのではないか・・・

 

と考える方も多いと思いますし、実際病院やクリニックでの感染拡大を防ぐため、厚生労働省からは次の案内がなされています。

 

新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安

1.相談・受診の前に心がけていただきたいこと

・発熱等の風邪症状が見られるときは、学校や会社を休み外出を控える。

・発熱等の風邪症状が見られたら、毎日、体温を測定して記録しておく。

2.帰国者・接触者相談センターに御相談いただく目安

以下のいずれかに該当する方は、帰国者・接触者相談センターに御相談ください。

・ 風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く方
(解熱剤を飲み続けなければならない方も同様です。)

・ 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある方

なお、以下のような方は重症化しやすいため、この状態が2日程度続く場合には、帰国者・接触者相談センターに御相談ください。

・ 高齢者

・ 糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD 等)の基礎疾患がある方や透析を受けている方

・ 免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方

(妊婦の方へ)

妊婦の方については、念のため、重症化しやすい方と同様に、早めに帰国者・接触者相談センターに御相談ください。

 

 

ただ感染された方の数が日々増えるにつれ相談の電話が増えており、地域によっては各保健所に設置されている

 

「帰国者・接触者相談センター」に電話をかけてもつながらない状況

 

が出てきています(保健所の職員の方々が精一杯対応してくださっているものの、問い合わせを含めた業務が多すぎて対応しきれなくなっていると思われます)。

 

 

それでは電話がつながらない場合、どうしたらよいでしょうか?

 

 

①厚生労働省の条件に当てはまる人

 

 

この方は急いで相談したいのに

 

相談窓口で相談できない、どうしたらいいんだろう・・・

 

と困ってしまうと思います。

その場合はかかりつけ医、風邪をひいたりしたときに受診したことのあるクリニックや診療所(以下クリニックとします)に

 

直接受診するのではなく、まず電話で相談

 

されることをお勧めします(かかりつけ医やクリニックによっては風邪症状のある方の受診時間を決めるなど独自の対応をとっている場合があるためです。またそもそも「受診できません」と断られてしまう場合もあるようですが、その時は近くにあるクリニック(できれば内科)に順番に電話をかけてみてください)。

 

 

②熱や咳、痰などがあるものの、厚生労働省の条件に当てはまらない方

 

 

こちらの方は①の方よりも多く、やはり困ると思います。

 

・そもそも体温計を持っていないし、買いたくても売ってないから熱がはかれないし分からない・・・

・症状がどうなったら、どれくらい続いたら相談すればいいんだろう・・・

・肺炎が心配だけど、受診していいのかな・・・

 

相談は①と同じでかかりつけ医やクリニックに電話をしていただくのがよいと思いますが、現時点(2020年4月12日)で

 

どんな症状がどうなったらクリニックに電話で相談したらよいか

 

の細かい目安がありません。

 

そこで現時点でわかっている新型コロナウイルス感染症についての情報をもとに、

 

けい先生独自のかかりつけ医やクリニックへの相談の目安

 

を書いていきたいと思います(注:あくまで現時点で参考にしていただくための独自の判断となります。この判断をもとに他のクリニック等にご相談された場合、必ず診察してもらえることを保証する内容ではありません。新型コロナウイルス感染症に関する知見が徐々に増えるに従い今後内容が変わる可能性もあります。何卒ご理解のほどお願いいたします)。

 

今回は国立国際医療研究センター 国際感染症センターに勤務されており、感染症専門医である忽那賢志先生の記事を参考とさせていただきました。

 

①新型コロナの典型的な症状と受診する目安は?

②症状、予防、経過と治療… 新型コロナウイルス感染症とは? 現時点で分かっていること(4月11日時点)

 

とても分かりやすく書かれていますのでこちらもぜひお読み下さい。

忽那賢志先生は新型コロナウイルス感染症の治療に携わっていらっしゃると同時に、積極的に様々な情報を発信してくださっています。他にも多数の記事がありますので、興味のある方はこちらからぜひお読み下さい。

 

 

まずは2020年4月12日現在の新型コロナウイルス感染症に関する知識です。

 

 

◆新型コロナウイルス感染症の典型的な経過:

 

・風邪のような症状(微熱を含む発熱、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳など)ではじまる。

・中国4万人のデータの報告によると

 

80%程度の人・・・発症から1週間程度で重症化に至らず治る

20%程度の人・・・数日~1週間以降に肺炎の症状が悪くなり、入院になることがある

5%程度の人・・・集中治療が必要になりICU(Intensive Care Unit:集中治療室)へ入室(2~3%が致命的)

 

と言われています(上記記事①より抜粋、改変)。

 

つまり

 

80%の人は悪くならずに治る

 

のですが、

 

20%の人は肺炎の症状が悪くなり入院になることがある

 

ので、ここに注意が必要ですし、皆様が心配になるのも無理はありません。

 

 

◆新型コロナウイルス感染症の症状は?

 

多くみられるものを順番に5つ上げると

 

・入院中の発熱・・・88%

・咳・・・68%

・倦怠感(だるさ)・・・38%

・痰・・・33%

・息切れ・・・19%

 

となっています(上記記事②より抜粋)。

 

つまり、

 

熱ならびに咳や痰、息切れなどの症状

 

がある方が多いようです。

*「入院中の発熱」について:もともと発熱していたのか、入院してから発熱したのかについては不明です。ご了承下さい。

 

 

ここまではよいでしょうか。

 

 

まずこの症状のうち、今まで経験したことのない

 

息切れ(息がハアハアする、呼吸が早い)、息苦しさ

 

といった症状が出てきたときには、ただちにかかりつけ医やクリニックに電話で相談をして下さい

 

クリニックの休診日や平日の夜間、土日祝日などの場合はまず

 

#7119 救急相談センター

 

へ電話で相談されることをお勧めいたします。

 

 

ここからは残りの

 

熱、咳(や痰)

 

について、どのような状態になったらかかりつけ医やクリニックに相談したらよいかのお話をしていきます(痰はでる場合もでない場合も考えられますので、咳を中心に考えます)。

 

 

①熱について

 

普段の風邪でも熱が出ることがありますが、3日程度で自然に下がることが多く、そのあと再度熱が出ることはほとんどありません。

(そのため厚生労働省の基準では「37.5度以上の発熱が4日以上続く場合」となっているのです)。

この場合の熱は、平熱(普段の体温)にかかわらず

 

37.5度以上

 

とお考え下さい。

 

ただ

 

・はじめは熱がなかった(37.4度以下)のに、1週間前後で熱が上がった場合

・2~3日で一旦熱が下がったのに、1週間前後でまた熱が上がった場合

・微熱(37.4度以下)が1週間程度続き、徐々に具合が悪くなってきた場合

 

このような時はかかりつけ医やクリニックに電話で相談することをお勧めいたします。

 

 

また

 

体温計をお持ちでない方

 

は当然体温がわかりませんので、ご自身の感覚(体が熱い、寒気がする、節々が痛い)をもとに判断することになります。

 

つまり

 

・はじめは体が熱い、寒気がする、節々が痛いといった症状がなかったのに、1週間前後でこの症状が出てきた場合

・2~3日で一旦体が熱い、寒気がする、節々が痛いといった症状がよくなったのに、1週間前後でまたこの症状が出てきたり、悪くなったりした場合

体が熱い、寒気がする、節々が痛いといった症状が1週間程度続き、徐々に具合が悪くなってきた場合

 

と言った場合はかかりつけ医やクリニックに電話で相談することをお勧めいたします。

 

なお生理のある女性の方は、生理の影響で体温が高めになる時期があります(生理が来る前の約2週間は体温が約0.3~0.5度ほど上がるといわれています)。下の記事も参考にしてください。

 

女性の健康推進室 ヘルスケアラボ 基礎体温

 

 

②咳(や痰)について

 

普段の風邪と同じ程度の咳であれば様子をみていただきたいのですが

 

・咳がだんだん悪くなる

・いったん落ち着いた咳が、1週間前後でまた悪くなった

・咳は起きているときだけだが、せき込むのがつらい

・咳のために夜眠れない、咳で夜に起きてしまいつらい

 

など咳がどんどん悪くなる場合や、普段の風邪の時よりも咳の症状がつらい場合はその時点でかかりつけ医やクリニックに電話でご相談下さい。

咳の場合はあくまでも

 

今まで経験してきた咳の症状と比べつらいかどうか、おかしいかどうか

 

を判断にしてみてください。

 

また気管支喘息、COPDや間質性肺炎など肺や気管支の病気で通院されている方で、新たに咳が出てきた場合は早めにかかりつけ医やクリニックに相談されることをお勧めします。

 

 

③肺炎について

 

肺炎、というと熱や咳(や痰)の症状がそろうのではないか、とお考えの方もいらっしゃると思います。

つまり熱と咳(や痰)が一緒になければ肺炎ではないだろう、と考えるわけです。

 

しかし実は肺炎の方の中には、症状が

 

熱だけ、咳(や痰)だけ

 

という方もいらっしゃるのです。

そのため①発熱について、②咳(や痰)についてと分けて書かせていただきました。

 

また肺炎を疑われた場合、

 

・胸部レントゲン検査

・血液検査

 

などを医師の判断で行うことがあるのですが、いったん胸部レントゲン検査で肺炎はないと言われ、お薬を処方してもらい内服等をしても発熱や咳(や痰)、息切れなどの症状が悪化した場合は、できるだけ同じかかりつけ医やクリニックに再度相談してください。

再度胸部レントゲン検査を行うと肺炎がわかる場合があります(もちろん肺炎はなく、変わらない場合もあります)。

 

できるだけ同じかかりつけ医やクリニックを受診していただきたいのは、胸部レントゲン検査の画像を比べて見ることができるため、肺炎があるかどうかをより判断しやすくなるからです。

 

 

④味覚・嗅覚障害(においがわからない、味がわからない)について

 

今回の症状には入っていませんが、忽那賢志先生の記事によると新型コロナウイルス感染症の場合、味覚障害・嗅覚障害を訴える方が多いことも分かってきた、との記載があります。

 

イタリアからの報告によると新型コロナ患者59人のうち、20人(33.9%)で嗅覚異常または味覚異常がみられたとのことです。

特に若年者、女性ではこれらの症状がみられる頻度が高いようです。

ただの風邪や副鼻腔炎、花粉症が原因で嗅覚異常・味覚障害が起きることもあるので「嗅覚障害・味覚障害=新型コロナウイルス感染症」ではありませんが、だらだらと続く風邪症状に加えてこれらの症状があれば新型コロナウイルス感染症の可能性は高くなるでしょう(以上、上記記事より抜粋、一部改変)。

 

しかし残念ながら現時点では

 

味覚障害・嗅覚障害のみの場合

 

は新型コロナウイルス感染症の検査を受ける対象とはなりませんし、日本耳鼻科学会もしばらく様子を見るよう勧めています(嗅覚・味覚障害と新型コロナウイルス感染症について―耳鼻咽喉科からのお知らせとお願い―)。

 

ただ

 

熱や咳などの症状とあわせて味覚障害・嗅覚障害が出現した場合は、かかりつけ医やクリニックへの電話相談の際にこの症状もお伝えいただく

 

とよいと思います。その時は

 

くしゃみや鼻水、鼻詰まりがあるのかないのか

 

も一緒にお伝えください。

個人的にはくしゃみや鼻水、鼻詰まりがないのに急に味覚・嗅覚障害が出てきた場合は、新型コロナウイルス感染症である可能性についてより注意が必要になると考えています。

 

 

以上となります。

いかがでしたでしょうか。

現時点でわかっている情報をもとに、症状などを絞って書かせていただきました。

少しでも皆様のご参考になれば幸いです。

 

最後になりますが、目黒みらい内科クリニックでは上記のような症状でお困りの方の受診を受け付けております。

当院への受診をお考えの方は、まず電話でご連絡いただけますと幸いです(ただしお電話は目黒みらい内科クリニックを受診いただける方のみを対象とさせていただきます。相談だけの方、遠方で当院を受診できない方は電話をご遠慮いただき、帰国者・接触者相談センター、かかりつけの先生ならびにお近くのクリニック等への電話でのご相談をお願いいたします)。

 

あわせて当院ホームページもご覧ください。

 

目黒みらい内科クリニック ホームページ

 

また受診の際は公共交通機関の利用はできるだけ避けていただき、お車等にてご来院ください。

 

 

長くなりましたが、本日も最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。

 

けい先生